北斗星のページについて
北斗星は、2015年8月22日札幌出発を最後に廃止されました。本ページは廃止前の情報に基づいて記載されていますので、ご注意ください。
2003年〜2014年の寝台特急北斗星(上野-札幌)の乗車メモです。北海道旅行記から分離し情報を加えたものです。何かの参考になれば幸いです。なお、以下の情報は一部古い情報(特に定期運行時の情報)になってしまっているものがあります。また本ページの情報については正しいことは保証できませんので、ご利用になられる方がもしいらっしゃれば、皆さまご自身で確認の上ご利用ください。
寝台特急 北斗星号
北斗星(JR東日本)は、16時間ほどかけて上野-札幌間を走ります。1ヶ月前からみどりの窓口などで切符を取ることができます。2003年のときは家族と2人で部屋を使ったので、行きはA寝台ロイヤルを2人で、帰りはB寝台デュエットを利用しました。これ以来、2014年5月まで、何度か利用してきました。
北斗星 時刻表
まずは旅行の時間割に北斗星が合うかを検討する必要があります。しかし北斗星は2015年3月13日出発を最後に定期運行を終了し、8月22日出発を最後に運行を終了し、残念ながらもう利用することはできません。JR北海道の時刻表やJR東日本のプレスリリースをご参照ください。2015年4月2日時点の北斗星の時刻表を下記に載せます。上野発は4月2,4,6,9,11,13,16,18,20,23,25,27,30、5月7,9,11,14,16,18,21,23,25,28,30、6月1,4,6,8,13,15,18,20,22,25,27,29、7月2,4,6,9,13,16,22,24,26,28,30、8月1,3,5,7,9,11,17,19,21。札幌発は4月3,5,7,10,12,14,17,19,21,24,26,28、5月1,8,10,12,15,17,19,22,24,26,29,31、6月2,5,7,9,14,16,19,21,23,26,28,30、7月3,5,7,10,14,17,23,25,27,29,31、8月2,4,6,8,10,12,18,20,22です。上野発、札幌発のカレンダーを掲載します。
|
|
北斗星 切符の取り方
旅行の予定に合っても、北斗星には自由席が無いので、切符(寝台券)を取らないと乗ることはできません。この寝台券、特に個室は競争率が高いので、気合いを入れて取る必要があります。
寝台券は一般的な指定券同様、1ヶ月前朝10時から、みどりの窓口などで購入することができます。窓口によってはその日の早朝から切符購入の予約をしていることがありますので、窓口に問い合わせてみてください(ただし、切符購入の予約をしたからと言っても必ずしも購入できる訳ではありません)。
必要な切符は下記となります。
- 特急券+寝台券(必須。1ヶ月前に購入)
- 乗車券(必須)
- 夕食の予約券(必要に応じて、寝台の確保直後に予約)
後で記載するように、北斗星には食堂車があり、ディナータイムに夕食をいただくことができます。ただし数に限りがあるので、寝台券が購入できたときに、合わせて予約をおすすめします。小さい子供がいて食事は不要だが席が必要な場合は、窓口で相談した方がよいかと思います。
また乗車後は必要であれば食堂車(グランシャリオ)でシャワーの予約ができます。なおロイヤルを利用する場合は、部屋にシャワーがありますので予約は不要です。
北斗星 編成と料金について
寝台の種類はJR東日本のページにあるように、以下のような編成です(2014年3月)。料金は札幌〜上野の寝台+特急料金+運賃です。ちなみにこの区間を新幹線と特急の指定席で利用した場合の特急料金+指定席料金+運賃は 24130 円です。
クラス | 種類 | 名称 | 料金(一人当たり) | 補助ベッド利用時一人当たり |
SA1 | 一人用A寝台個室 | ロイヤル | 39170 | 35240 |
A2 | 二人用A寝台個室 | ツインデラックス | 35230 | − |
B2 | 二人用B寝台個室 | デュエット | 27980 | − |
B1 | 一人用B寝台個室 | ソロ | 27980 | − |
B | 二段式開放B寝台 | − | 27980 | − |
号車番号 | 寝台種類 |
1 | 開放B寝台 |
2 | 二人用A寝台個室ツインデラックス |
3 | 一人用A寝台個室ロイヤル、一人用B寝台個室ソロ |
4 | 一人用A寝台個室ロイヤル、二人用B寝台個室デュエット |
5 | 開放B寝台 |
6 | ロビー、シャワー室 |
7 | 食堂車グランシャリオ |
8 | 二人用A寝台個室ツインデラックス |
9 | 一人用A寝台個室ロイヤル、一人用B寝台個室ソロ |
10 | 一人用A寝台個室ロイヤル、二人用B寝台個室デュエット |
11 | 開放B寝台 |
- | 荷物車 |
ロイヤル8室、ツインデラックス16室にロビーカーと、豪勢な編成になるようです。
ロイヤル
JR東日本のページにあるように北斗星最高峰の部屋で、北斗星を利用するからには一度は利用してみたいと思わせるような部屋です。本来は一人用なのですが、補助ベッドを利用するとダブルベッドになり二人で使うことができます。他の寝台と比較して、以下のような特徴があります。
- シャワー室とアメニティグッズ、ドライヤー、洗面台、トイレがある。
- 洗面台にコンセントがついている。
- ウェルカムドリンク(水やお茶の缶、ウィスキーの小さなビン、おたるワインの白[ミュラー・トゥルガウ完熟フリーラン])、モーニングコーヒー・朝刊のサービスがある。
- 補助ベッドを接続して使うので、ダブルベッドになる。(ツインデラックスは上下二段ベッド)
なお、シャワーは10分間ですが、使用してから備え付けのボタンを押すと、残り10分に戻ります。
二人でA寝台を利用する場合は、ダブルベッドで構わないのであればロイヤルの利用をお奨めします。
最後に利用したのは、2007年5月です。北斗星A寝台ロイヤル乗車記(4/29)をご参照ください。
ツインデラックス
二人用個室で、ツインベッドです。ツインなので、友人とも使えます。上下2段式のベッドです。一人用ソファ、モニタなどがあります。
ロイヤルと異なり、シャワーや洗面台はありません。
さすがに2人用A寝台だけあり、この広さは快適でした。
ただ個人的には、ツインデラックスを利用するのであれば、ロイヤルに補助ベッド(ダブルベッドでよければですが)を利用するか、安く済むデュエットがいいのではないかと思います。
最後に利用したのは、2014年5月です。寝台特急北斗星A寝台ツインデラックス乗車記(14/05/02)と、北斗星A寝台ツインデラックス乗車記(10/05/01)をご参照ください。
デュエット
右の写真はそれぞれ、デュエット上段、デュエット下段です。
二人で使うのであれば、友人でも家族でもおすすめです。B寝台料金で使える個室であり、かつB寝台とはいえ二人用なので広く(真ん中の通路部分を専有できます)、快適です。
最後に利用したのは、2014年5月です。下段側のデュエットでした。寝台特急北斗星B寝台デュエット乗車記(14/05/05)をご参照ください。
ソロ
右の写真はそれぞれ、ソロ上段、ソロ下段です。
一人旅にお奨めの個室です。ちょっと狭いですがデュエットと同様B寝台料金で使える個室ですので重宝します。
最後に利用したのは、2006年9月です。北海道・SLすずらんの旅(2006.9.7-9.10)をご参照ください。
二段式開放B寝台
右の写真はそれぞれ、開放B寝台コンパートメント、開放B寝台です。
普通の、二段式開放B寝台です。通路とはカーテン一枚のみで仕切られています。ですので移動する場合には荷物を持っていく必要があります。ただし車両によっては、一区画(上下向かい合わせの席を四つ)使用した場合は簡易個室(コンパート)として利用できるものがあり、カギをかけられます。
シャワー室と洗面台・トイレ
ロイヤル以外は、シャワー・洗面台・トイレは共用の設備を利用することになります。
シャワー室/ドライヤーはロビーにあり、320 円で利用できます。予約制で、乗ってからグランシャリオ(食堂車)で予約します。使う時間は早い者勝ちなので、乗ってすぐの予約をおすすめします。アメニティグッズは持ち込みが基本ですが、車内で購入(シャワーセット430円)もあります。
トイレと洗面台は一車両に一つはあったかと思います。洗面所にはコップが置いてありますが、他の人と共用したくない方は自分で持っていった方がいいかと思います。
食堂車グランシャリオと食事
この列車にはグランシャリオと呼ばれる食堂車が連結されていて、そこで食事を取ることができます(車内販売でお弁当を購入してロビーカーや自室で食べることもできます。ただしグランシャリオへの持ち込みは禁止です)。グランシャリオについての詳細は NRE のページをご参照ください。このグランシャリオでの食事の機会は三回ありまして、それはディナータイム、パブタイム、朝食です。参考までに2014年5月での、ディナータイムメニュー、パブタイムメニュー、朝食メニューを掲載しておきます。
このうち、ディナー(写真は和食)のみは予約が必要(一ヶ月前から可能)です。これがまたくせ者で、競争率が高いです。かつ寝台券がないと予約することができません。ですので寝台券の購入と同時に予約する必要があります。ディナーは 7800 円(洋食の場合。和食は 5500 円)です。洋食をいただいたことがありますが、よい雰囲気でした。
パブタイムは、ディナーの終了(下り21:05、上り21:00)後から23時までとなります。内容はディナーを食べ損ねてもそれを埋め合わせるのに十分なものがあります。また往復北斗星にすると行き帰り同じディナーが出る(カシオペアと北斗星は異なるようですが)ので、片道はディナー、片道はパブタイムというのもテです。ただ、パブタイムは開始が遅いので、それまでは何かで食いつながなくてはいけませんが・・・ パブタイムには、パスタのような夕食となるものだけでなく、ワインやそれに合うハンバーグ、ソーセージ盛り合わせ・牛タンスモーク・サラダ・チーズ盛り合わせ、デザートとしてアイスや夕張メロンゼリーなどもあります。
パブタイムは車内放送がありますので、その放送を聞いたらすぐに向かうのがよいかと思います。早く行かないと席がなくなってしまいます。
そして翌日朝に、朝食(写真は洋食)(1650円)が取れます。朝食は6時半からです。日によっては混むようなので、早めの行動が肝要です。なおこの朝食ですが、ディナーと同様和食と洋食があります。
ロビー
ロビーですが、特に開放B寝台を使っている方には重要な居住スペースに成り得ます。イスも大きいし窓も広くてよいです。ただし2014年3月時点では1/2車両分(寝台と併設)しかありません(2015.4-の臨時化で、以前使用されていたロビーカーに変わると言われています)。共用スペースですので、運悪く何かのツアーとぶつかってしまった場合は大混雑となります。ですので快適な旅をしたい方にはできるだけ、個室をおすすめします。グループで利用するからということでロビーカーを使いたい場合は、始発駅でロビーの入口に並ぶのがよさそうです。
ただ、夜、皆さんが寝ているような時間には夕方の喧噪がウソのように、静かな(列車自体の音がうるさいですが)スペースになります。電気を消せないので十分に夜景を楽しむ訳には行きませんが、外の明かりをぼーっと眺めたり、青函トンネルの様子を見るにはいいのではないでしょうか。
個室のすすめ
寝台特急での旅は、やはり個室をおすすめします。B寝台個室は開放B寝台と同額なので、同じ値段ならば個室を利用しないと損です。一人用のB寝台個室もあります。トイレや食事のたびに部屋を離れる必要がありますので、開放B寝台ですとそのたびごとに荷物を持って移動しないといけません。ちなみにカギは車両によって普通のカギだったりカードキーだったりします。普通のカギは到着の一時間くらい前に回収されてしまうので、ちょっと不便かもしれません。
その他
朝は6時半から車内放送が入ります。寝台特急の旅は揺れや列車のうるささもあり、慣れないと(わたしは慣れてません)、なかなか眠れません。しかし翌日は6時半起床ですので、早めの就寝がよいかと思います。
先ほど説明したように、車内販売でも食べ物を購入することができます。お弁当やサンドイッチ、飲み物、北斗星のグッズなどを販売しています。飲み物も売ってはいて自販機もありますが、個人的にはいくらかペットボトル飲料を持ち込んだ方がよいかと思います。揺れてもこぼれないし便利です。北斗星のグッズは車内販売でしか購入できないので、気に入ったものがあれば購入してみてください。
ところで、北斗星の旅では意外と電源に困ります。別の寝台特急(トワイライトエクスプレス)ではB寝台個室にもコンセントがありました。サンライズエクスプレスでも、少なくともB寝台にコンセントがあることは確認しています。しかし北斗星の個室には洗面台にしかコンセントがありませんでした(ひげ剃り用)。つまりはロイヤル以外にはコンセントがなく、ロイヤルのコンセントも洗面台から居室に引っ張ってこないといけません。これは別の寝台特急のA寝台(カシオペアツイン)でも一緒でした。他にコンセントがある場所として、北斗星ではロビーカーにあることを確認しました。2014年の北斗星乗車では、洗面台で充電されているスマートフォンを何度か見かけました。
寝台特急北斗星のすすめ
二人用の費用はこんな具合になります。上野<−>札幌間です。
項目 | 費用 |
ロイヤル使用の寝台券 | 17670 |
補助ベッド使用の寝台券 | 9810 |
運賃2人用 | 18440x2 |
特急券2人用 | 3060x2 |
計 | 70480 |
所用時間 | 16.5時間 |
項目 | 費用 |
デュエットの寝台券 | 12960 |
運賃2人用 | 18440x2 |
特急券2人用 | 3060x2 |
計 | 55960 |
所用時間 | 16.5時間 |
項目 | 費用 |
運賃2人用 | 14470x2 |
特急券2人用 | 9660x2 |
計 | 48260 |
所用時間 | 9時間 |
項目 | 費用 |
飛行機(事前購入の旅割28) | 17590x2 |
新千歳->札幌 | 1070x2 |
計 | 37320 |
所用時間 | 4-5時間 |
この費用を、そしてかける時間をどう見るかはご覧になった方の自由ですが、個人的にはこの忙しい世の中にも関わらず、飛行機で行けば4時間程度で行けるような場所に 16 時間もかけていくような贅沢な時間の使い方が、逆にとても有意義に思えてなりません。一度お試しになってはいかがでしょうか?
わたしは今まで寝台特急カシオペアや寝台特急トワイライトエクスプレスも利用したことがありますが、どれも素晴らしい旅でした。やみつきになります。
この寝台特急北斗星については、北斗星の家さんがとても参考になります。
夢空間
この見慣れない車両は夢空間と呼ばれて、バブル絶頂期の1989年に開発された超豪華車両ですが、2008年に廃止されて今は残念ながら走っていません。羽振りのよかったデパートが内装を担当したと聞いています。この写真にあるのはダイニングカー、この他にラウンジカー(クリスタル・ラウンジ)スプレモとデラックス・スリーパーという構成からなっています。
この特別な車両は臨時に北斗星用の車両と連結されて「夢空間北斗星」を名乗って札幌←→上野間で運用されたり、同様の構成で団体列車として運用されたりしていたようです。また大宮総合車両センターなどのJRの工場が一般公開されるときに公開されたりしていました。ここに挙げた写真は6月の団体運転での回送時と車両センターに展示されたときに撮った写真です。車両センターでは内部の見学もできたのですが大人気で、入るのに車両3つ分くらいの長い列ができていました。
ダイニングカーはその名の通り食堂車です。クリスタル・ラウンジのスプレモはラウンジカーで、フリースペースです。ロビーカーのようなものですが、作りはそれよりも豪華でバーもあったりします。デラックス・スリーパーは定員6名の超豪華寝台車です。エクセレント・スイート1室とスーペーリア・ツイン2室からなっています。バスタブ(ただしユニットバス。写真はスーペーリア・ツイン)が各部屋にあるとんでもない車両です。価格はスーペーリア・ツインがトワイライトのスイートやカシオペア・スイートと同等の値段で、エクセレント・スイートはさらにその上をいく設定となっていました。
寝台特急北斗星号 乗車記
- 2003年7月 富良野/美瑛・ 北斗星1号・北斗星4号
- 上野と北海道の往復。ロイヤル・デュエットに乗りました。
- 2004年5月 北斗星3号乗車記
- 上野から函館まで。ロイヤルの乗車記です。
- 2004年7月 利尻礼文サロベツ国立公園と函館・北斗星4号
- 函館から上野まで。ソロに乗車しました。
- 2004年9月 北斗星3号乗車記, その2
- 上野から札幌まで。ロイヤルの乗車記です。
- 2005年5月 北斗星3号乗車記, 北斗星4号乗車記
- 上野から函館までロイヤル、函館から上野までツインデラックスの乗車記です。
- 2006年9月 すずらん撮影・北斗星4号
- 札幌から上野まで。ソロに乗車しました。
- 2007年5月 北斗星3号乗車記
- 上野から函館まで。ロイヤルの乗車記です。
- 2010年5月 北斗星(下り)乗車記
- 上野から札幌まで、ツインデラックスの乗車記です。
- 2014年5月 北斗星旅行計画
- 北斗星での旅行の計画編です。
- 2014年5月 北斗星(下り)乗車記
- 上野から函館まで、ツインデラックスの乗車記です。
- 2014年5月 北斗星(上り)乗車記
- 札幌から上野まで、デュエットの乗車記です。
カシオペア 乗車記
- 主に2015年時点のカシオペアの説明
- 2006年5月 カシオペア乗車記
- 札幌から上野まで。カシオペアツインに乗車しました。カシオペアは、2001年9月と今回と、2度利用しています。
- 2015年8月 カシオペア乗車記
- 上野から札幌まで。カシオペアスイート・メゾネットタイプに乗車しました。
その他寝台乗車記など
- 2003年2月 寝台特急トワイライトエクスプレス
- 大阪から札幌まで。シングルツインに乗車しました。
- 寝台特急富士・寝台特急はやぶさ
- 2007年5月 寝台特急あけぼの乗車記
- 2004年4月 サンライズ出雲乗車記
- 2007年5月 寝台特急あけぼの乗車記
- 東京から米子まで、ノビノビ座席を利用しました。
- 2006年8月 サンライズ瀬戸・サンライズ出雲乗車記
- 東京から上郡、出雲市から東京まで、シングルを利用しました。
- 2006年11月 余部鉄橋
- 下りのサンライズエクスプレスを利用しました。
寝台特急 北斗星 乗車記
2004年5月のGWに北斗星3号に乗車し函館へ行きましたので、それについて記載します。なお北斗星が1日2往復あった時代の記録なので、1往復となった今では一部合わない点もあるのでご注意ください。ロイヤルのステラリウム装備車両は、今は走っていません。
寝台の切符は、個室が欲しかったために1ヶ月前に取得しました。狙いは、B寝台デュエットかA寝台ロイヤルです。3号は個室が少ないのですが GW 期間中は個室を増設していて、そのために運良くロイヤルを取ることができました。このロイヤルに補助ベッドをつけて二人で使うことにしました。せっかくのロイヤルなので札幌まで使いたかったのですが、行程の都合で涙を呑んで函館までとしました。
その日は夕方まで用事があったので、それを済ませて上野駅へ向かい、晩ご飯のお弁当を購入してからホームへと向かいました。出発は 19:03、こういうときにはうれしい出発時間です。入線は発車の20分前、そんなシーンを見てこれからの旅を思いわくわくしてしまうのも、北斗星はじめ寝台列車ならではです。乗客の方々は次々と列車に乗り込んでいきますが、わたしは発車までに時間があったので、列車の先頭へ行って電気機関車を撮ってきました。ちなみにこの機関車が青森まで、別の電気機関車が青函トンネルを、そして函館からは冒頭に挙げた青いディーゼル機関車が引っ張ります。横からも電気機関車を眺めてみましたが、流れ星がいい感じです。ここまで写真を撮ってから部屋へと向かいました。
わたしたちの部屋は北斗星最高峰の個室、ロイヤルです。増設した個室に当たってしまったため写真にあるインターフォンは使えなかったのですが、たまたまステラリウムの装備された車両だったため、一晩中室内灯の代わりにつけていました。
しばらくすると車掌さんが検札で回ってきますので、そのときにカギを受け取り、またこのときに寝台の使い方を教えてもらいました。またもともと一人用個室であるロイヤルを二人用で使おうとしたために浴衣が足りず、このときに追加をお願いしました。次にしばらくするとアテンダントさんが回ってきますので、ウェルカムドリンクをいただき、翌日のモーニングコーヒーの希望時間を伝えます。翌日函館で降りるので朝6時にお願いしました。
この後はくつろぎの時間になります。夕ご飯を予約している場合は3号ですとこのあたりでグランシャリオへ行くこととなりますが、今回わたしたちはパブタイムを狙っていたため、夕ご飯は駅弁で済ませることにしています。まずはワインで北斗星の夜に乾杯し、それを片手にお弁当をいただきます。お弁当というのがちょっとイメージ的には何ですが、なかなかいいものです。ちなみにウェルカムドリンクのワインは北海道ワインの甘口白ワインで、とても飲みやすいものでした。ページから推測するに、恐らくミュラー・トゥルガウ完熟フリーランという銘柄と思います。そうしているうちに車内販売が回ってきましたので、携帯ストラップと星のチョコサンドを購入しました。なおこのときに購入したストラップはカシオペアバージョンだったのですが、見た目は北斗星バージョンの方が格好いいかと思います(^^;
パブタイムは21:00からですので、もうしばらくはロイヤルでゆったりとした時間を過ごします。何ということもない東北本線を走っているのですが、ロイヤルという非日常の世界からスーツの会社員が電車を待つホームの日常を眺めると、訳もなく満足したというか、のんびりとしたというか、不思議な気分になります。わたしはこの非日常を味わうために北斗星に乗車していると言っても、過言ではありません。
しかしこのロイヤルですが、居心地はいいものの、一部に古さが見られます。例えばオーディオ設備。そしてトイレ・シャワーなどの水回り。最も不満な部分は、列車の揺れで開いてしまう、シャワー室と居室とを遮る折り戸です。シャワーを浴びているときに開いてしまったり、寝ている途中に音を立てて開いたり閉まったりするのには閉口してしまいました。恐らく、この車両は北斗星向けの改造から10年以上は経っていると思います。せっかくの豪華寝台列車北斗星なので、トワイライトエクスプレス同様リニューアルして欲しいものです。
そうは言うものの、やはりロイヤルはいいものでした。
そうこうしている内に、パブタイムの時間が近づいてきました。わたしたちは個室を出て、グランシャリオの偵察に向かいます。が、まだディナータイムを楽しんでいる人がいたので、隣のロビーカーでパブタイム開始のアナウンスを待つことにしました。結局この時は開始は 30 分以上遅れ、ワインが注がれたのは 22 時少し前でした。ただ終了は変わらず 23 時です。待っていると車内アナウンスの前にグランシャリオのクルーがロビーカーに声をかけてくれました。
やはり、北斗星に乗ったときにはグランシャリオでの優雅な時間は欠かせません。この時間を楽しむことで、北斗星に乗ったんだなぁ、という感慨が強くなります。このときはワインとソーセージ盛り合わせ・サラダをいただき、ゆったりとすごしました。
食事の後はロイヤル特権、個室内のシャワーを使いました。そして補助の寝台を作って眠りに就きます。この時間になると時刻表上は函館まで停車しませんが、実際には例えば青森駅で機関車付け替えのために停車します。運転によっては発車時の衝撃で目を覚ましてしまうようなこともあると思いますが、わたしが利用したときには、実にスムーズに青森駅から発車しました。なおわたしはなぜか、青森駅停車の寸前に目を覚ましてしまいました。
北斗星3号の場合、青函トンネルへは朝の5時過ぎに入ります。トンネルの中なので何も見るものも無いのですが、特異なゴォーッという音はとても大きく不気味で、青函トンネルを見たい、もしくは通り抜けた後すぐの北海道を見たい、ということでなければ眠っていることをお勧めします。なお、通過には40分程度かかります。
函館で降りますので、青函トンネルを抜けてしまえば北斗星の旅も終わりはすぐそこです。身だしなみを整え、朝6時のモーニングコーヒーをいただき、北海道の車窓を眺めながら、函館を待ちます。なお、朝刊のサービスは3号の場合朝刊を函館で積み込みますので、函館で降りる場合には受けることができませんでした。
そして6:34に、列車は函館に到着します。発車は機関車の付け替えがあるたに、6:41です。以前北斗星1号に乗車したときは函館の停車時間は23分あったため一度降車して列車の撮影をしたのですが、北斗星3号では7分しか無いために撮影は難しいかもしれません。ただ、札幌では機関車の先頭がホームからはみ出してしまうため、機関車を含めた記念撮影はできません。このような機関車を含めた撮影をしたい方は、函館で撮影することをお勧めします。
列車は函館で向きを変え、わたしたちを残して発車し、わたしたちの北斗星での旅は終わりを告げたのでした。