はじめに
ハンディGPS 購入に際しての検討内容とその結果、AndroidスマートフォンとGPS、および PDA + GPS 環境の使用感、GPS内蔵PDA、Mio P560 の使用感などを書いてみた。Windows Mobile搭載PDAやCFタイプのGPS受信機など、今となっては(現行モデルではあるが)古い情報もあるので、ご注意いただければと思う。
(2017.2版)
ハンディGPS
ハンディGPSが欲しくなったので、調べてみた。ハンディGPSを使用する用途は移動した場所のログ取りだ。
ハンディGPSの種類と概要
ハンディGPSと言えばやはりGARMIN GPSが有名であり、主にこのGARMIN GPSについて一通り調べてみた。着目すべき点は、
- 値段
- 電池のもち
- トラックログの保存量
- 電子コンパス・高度計(気圧計)の有無
- 大きさ・重さ
- 地図の有無(地図有の場合はmicroSD/SDスロットの有無)
- コンピュータとの接続性
- GPS感度
である。
機種名 | 価格 | 重さ | 高感度 | GLONASS | 通信 | 地図 | SD | 電池 | 駆動時間 | トラックログ | 防水 | 方位・高度 |
Foretrex 301 (e) | 24,809 | 87.3 | ○ | × | USB | × | × | 単4x2 | 18 | 10000 | IPX7 | × |
Foretrex 401 (e) | 34,065 | 87.3 | ○ | × | USB | × | × | 単4x2 | 17 | 10000 | IPX7 | ○ |
機種名 | 価格 | 重さ | 高感度 | GLONASS みちびき | 通信 | 地図 | SD | 電池 | 駆動時間 | トラックログ | 防水 | 方位・高度 | カメラ |
eTrex 10J (j) | 24,300 | 148 | ○ | ○(みちびき) | USB | △ | × | 単3x2 | 25 | 10000 | IPX7 | × | × |
eTrex 20xJ (j) | 42,876 | 148 | ○ | ○(みちびき) | USB | ○ | ○ | 単3x2 | 25 | 10000 | IPX7 | × | × |
eTrex 30xJ (j) | 57,996 | 148 | ○ | ○(みちびき) | USB | ○ | ○ | 単3x2 | 25 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
GPSMAP 64SJ (j) | 70,956 | 215 | ○ | ○(みちびき) | USB | ○ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
注)eTrex 10Jは概略地図のみ。
機種名 | 価格 | 重さ | 高感度 | GLONASS | 通信 | 地図 | SD | 電池 | 駆動時間 | トラックログ | 防水 | 方位・高度 | カメラ |
eTrex10 (e) | 16,092 | 141.7 | ○ | ○ | USB | △ | × | 単3x2 | 25 | 10000 | IPX7 | × | × |
eTrex20x (e) | 27,972 | 141.7 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 25 | 10000 | IPX7 | × | × |
eTrex30x (e) | 34,452 | 141.7 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 25 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
GPSMAP 62 (e) | 41,040(*) | 260.1 | ○ | × | USB | △ | × | 単3x2 | 20 | 10000 | IPX7 | × | × |
GPSMAP 62s (e) | 46,224 | 260.1 | ○ | × | USB | △ | ○ | 単3x2 | 20 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
GPSMAP 62st (e) | 65,912(*) | 260.1 | ○ | × | USB | △ | ○ | 単3x2 | 20 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
GPSMAP 64 (e) | 31,474(*) | 260.1 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | × | × |
GPSMAP 64s (e) | 48,662(*) | 260.1 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
注)eTrex10は概略地図のみ表示可能。英語版はみちびきには未対応。GPSMAP 62stはアメリカ地図格納済。
機種名 | 価格 | 重さ | 高感度 | GLONASS | 通信 | 地図 | SD | 電池 | 駆動時間 | トラックログ | 防水 | 方位・高度 | カメラ |
eTrex Touch 25J (j) | 56,160(*) | 159 | ○ | ○(みちびき) | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | 方位 | × |
eTrex Touch 35J (j) | 65,880(*) | 159 | ○ | ○(みちびき) | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
機種名 | 価格 | 重さ | 高感度 | GLONASS | 通信 | 地図 | SD | 電池 | 駆動時間 | トラックログ | 防水 | 方位・高度 | カメラ |
Montana 610 (e) | 61,560(*) | 289 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x3 | 22 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
Montana 680 (e) | 67,932(*) | 289 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x3 | 22 | 10000 | IPX7 | ○ | ○ |
Oregon 600 (e) | 48,600(*) | 209.8 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
Oregon 650 (e) | 58,320(*) | 209.8 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | ○ |
Oregon 700 (e) | 59,400(*) | 209.8 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
Oregon 750 (e) | 74,768(*) | 209.8 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | ○ |
eTrex Touch 25 (e) | 32,400(*) | 159 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | 方位 | × |
eTrex Touch 35 (e) | 41,040(*) | 159 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
eTrex Touch 35t (e) | 59,184 | 159 | ○ | ○ | USB | △ | ○ | 単3x2 | 16 | 10000 | IPX7 | ○ | × |
Montanaはリチウムイオンのバッテリバックも使用可能。英語版はみちびきには未対応。eTrex Touch 35tはアメリカ地図格納済み。Oregon700はOregon600のメモリ強化版でOregon600は在庫限り。Oregon750はOregon650のメモリ強化版でOregon650は在庫限り。
前回2014年調査からの大きな違いは、英語版eTrex Touchの発売(これに伴ってと思われるがDakotaは販売終了)、日本語版eTrex Touchの発売だ。
防水でIPX7とはJIS保護等級の1つで「防浸形」を示し「定められた条件で水中に没しても内部に水が入らないもの」を示す。例えば普通に使っていて雨でぬれた程度では大丈夫で、規定から言えばちょっと水の中に落としたくらいでも平気ということだ(怖くて試せないが)。JIS4はIPX4と同様で「防沫形」を示し「いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないもの」を示す。いわゆる生活防水だ。なお X は防塵性能を示す表示部分で特に規定されていないことを示す。[防水性能について記載に誤りがあったので修正しました。06.1.5]。
(e)は英語版、(j)は日本語版。地図を含むものはできるだけ日本語版を選んだ。英語版ではGarmin純正の日本語地図はインストールできない。地図を含まないものは英語版を選んだ。英語版と日本語版との価格差が非常に大きくここは注意が必要だ。地図欄の「△」は日本語版MapSource(Garmin純正の地図)が使えないことを示している。ただし英語版の地図対応機 eTrex30x などでは、後述のUUDで販売している日本地図(ただしアルファベット表記)をインストールすることはできて、私も利用している。またTKA Planetの日本高精密地形図 for GarminGPSも利用可能だ(ちょっと使ってみたい)。
価格(*)は「IDA Online」、それ以外は「パソコンGPSショップ」、の2017年2月の値段。
最近の大部分の機種は、GLONASSに対応しており、日本語版はみちびきに対応しているものも多い。古いモデルを選択しないよう注意したい。
ログの記録数については内蔵メモリに記録する場合を記載している。SDカードを使えるものはこちらへの記録も可能であり、その場合はSDカードの容量に依存する。ログのファイルサイズだが、eTrex Vista HCx の 5500 ポイント(16時間分)で、600KB程度だった。記録時間とポイント数は、設定や移動の仕方にも依存する。このSDカードだが、地図を表示させる場合には、地図を格納するためあった方がよい。
その他GPSロガー
GPSレシーバーを出しているのはGARMINのみではない。ここでは例として、HOLUX m-241 を紹介しておきたい。防水では無い点に注意したいが、eTrex H よりも安価、かつ Foretrex よりも軽量であり、ログ取りのみの用途であれば検討の価値はあると思う。m-241はBluetoothで通信できることが特徴だ。
機種名 | 価格 | 重さ | 高感度 | 通信 | 地図 | SD | 電池 | 駆動時間 | トラックログ | 防水 | 方位・高度 |
HOLUX m-241 | 12,744 | 39 | ○ | USB/Bluetooth | × | × | 単3x1 | 14 | 100000 | × | × |
ハンディGPSを選ぶ
この中でわたしが重要視するのは、
- 価格が安いこと
- GPS感度が高いこと
- 電池のもちがよいこと
- 電子コンパス・高度計(気圧計)が有ること
- 小さく、軽いこと
である。
価格を重視すると、英語版を選ばざるを得ない。英語版では日本語版MapSourceが使えない(詳細な日本地図が使えない)が、やむを得ない。日本語版MapSourceを使う必要があれば、価格には目をつむってeTrex 30xJ (j)などの日本語版は必須となる。
感度は先ほど記載したように新しい機種は高感度GPSを搭載しているので、新しい機種から選ぶようにしたい。GLONASS対応と、みちびき対応が気にすべき点だ。英語版から今選ぶなら、
- Foretrex 401 (e)
eTrex30x (e) - eTrex Touch 35 (e)
- GPSMAP 64s (e)
- Oregon 650 (e)
が候補に挙がる。絞り込む項目としては、タッチパネル対応か否かの操作系と、大きさ・重さ、それに価格だろう。
Foretrex 401は腕時計型で、地図表示はできないが非常にコンパクトだ。GPSMAP 64sは新しい機種でアンテナなど高性能な点が魅力だが、若干かさばりそうに思う。eTrex30xはeTrexシリーズの最新機種でGLONASSにも対応していることが魅力だ(みちびきには非対応なのが残念だが)。eTrex TouchとOregonはタッチパネル対応の最新機。小型がよければeTrex Touch 35、大きくてよければ Oregon 650(カメラは無くてよいと思う)。eTrex Touch, OregonともにGLONASSにも対応している。
なお地図については、英語版 eTrex20x、eTrex30x、Oregon、Montana、GPSMAP 64などは、後述のUUDで販売している日本地図(ただしアルファベット表記)をインストールすることはできて、私も利用している。またTKA Planetの日本高精密地形図 for GarminGPSも利用可能だ。
わたしは Foretrexの旧機種(低感度)ユーザであったが、高感度な eTrex H を購入、その後に eTrex Vista HCx を購入した。
日本語版を選ぶとすれば、英語版と同じ話ではあるが、
eTrex 30xJ (j) - eTrex Touch 35J (j)
- GPSMAP 64SJ (j)
が候補に挙がる。絞り込む項目としては、英語版同様にタッチパネル対応か否かの操作系と、大きさ・重さ、それに価格だろう。
eTrex Vista HCx 使用記
従来わたしは eTrex Hを使用していた。これは古さを感じはしたものの大きな不満はなかった。が、このページを作っている内に上位機が欲しくなってしまった(苦笑)。
候補としては、カラー版高感度 eTrex シリーズ、Venture HC、Summit HC、Legend HCx、Vista HCx だ(eTrex 10,20,30やeTrex Touch, Oregonはまだ未発売だった)。この中で購入したのは eTrex Vista HCx となった。
その理由は正直なところ、eTrex シリーズのフラグシップだからだ。元々上位機が欲しいと思ったのが購入理由であるため、eTrex シリーズのフラグシップを購入することとなった。
それっぽい理由を無理につけるとすれば、これらは全部地図表示可能なモデルであり、どうせ地図表示をさせるのであれば microSD 搭載モデルが良いこと。また今まで使ってみたかった地磁気センサー・高度センサー搭載機であること、だ。同じ理由で今購入すれば、eTrex30x (e)だろう。
購入したのは英語版であるため、地図はUUDのものを利用した。
簡単に使ってみた感想を記載してみる。
- eTrex H よりは格段に使いやすい。カラー液晶も屋外でも見やすい。
- eTrex H よりも電池のもちが良く、助かる。
- USB給電が可能で、例えば自家用車内でログを取るときにはシガーソケットから給電可能。ただしもちろん充電はできない。
- GPS感度はeTrex H同様高く、その恩恵にあずかることができる。
- 山登りに使っている訳ではなく、主な用途が普通のログ取りであるため、地磁気センサー・高度センサーはあまり有効に使えていない。
- 地図表示についてはあれば便利だが、主な用途が普通のログ取りであるため、あまり使えていない。ただし動作中ずっと液晶が表示されており、必要なときにすぐに見ることができるというメリットはある。
- ログを microSD カードに保存できるのは非常に便利。これにより、ログ記録容量の残りを気にすることがなくなった。
詳しくは eTrex Vista HCx 購入を参照していただきたい。
AndroidスマートフォンとGPS
2010年4月、Androidスマートフォン(DoCoMo Xperia)を購入した。以前からPDA(Windows CEやWindows Mobile機)+GPS+Pocket Mapple Digital/ログ取りソフト、これに加えて PHS 通信カードの組み合わせを何とか使っていたが、この Xperia によって、ようやく外付けデバイス無しにこれまで使ってきた以上の環境を手に入れることができた。
地図閲覧とログ取りに絞って考えると、XperiaなどスマートフォンのハンディGPSに対する利点、欠点は下記だと考えている。
利点
- Assisted GPS を使えるため、最初の測位時間が早い。
- Google Maps、マピオン、Yahoo!地図などの優れた地図を使うことができる。
- 液晶が大きいため、地図が見やすい。
欠点
- 常にGPSを動かすため、電池を消耗する。
- (多くのスマートフォンは)防水では無い。
- (通信を使う地図アプリは)圏外では地図を表示できない。
- 静電式タッチパネルは、手袋などをしてしまうと操作できない。
- 専用のバッテリ(機種によっては外すこともできない)を使用する。
とにかく、電池が問題だ。eTrex Vista HCx であればバックライトを消せば、地図を表示させたまま25時間もつというのがスペックだ。eTrex Vista HCxの液晶はバックライトが無くとも明かりがあれば見ることができ、これも電池の消耗を抑えることができる特長だ。さらに電池が切れそうになっても、一般的な単三電池ならば入手も比較的容易だ。
それに対してスマートフォンでは、GPSログを取るとすぐに電池が減っていく。さらに一般的なスマートフォンではバックライトを点灯させないと画面を見ることができない。従って地図を見続けていると、あっという間に電池が切れてしまう。電池が無くなると、ログ取りはもちろんのこと電話すらできなくなってしまう。専用リチウムイオン電池を使うスマートフォンは簡単に電池交換はできないため、交換用電池(交換が可能であれば)もしくは SANYO eneloop mobile booster のようなUSB出力付充電器が必要となる。
GPSログをちょっと取ってみるという使い方であれば、スマートフォンも便利に使える。しかし長時間のログを取るのであれば、やはり専用機の方が便利だ。ということで、スマートフォンと eTrex Legend HCx や Foretrex 301、HOLUX m-241 との併用をお薦めしたいところだ。
しかしスマートフォンには、ハンディGPSには無い機能がある。それはアプリと通信だ。ここでは簡単に、Xperiaと位置情報のメモ書き、Xperiaで使用している地図・GPSアプリ・天気関連アプリを列挙しておきたい。
XperiaとGPS関連
Xperiaアプリ
- モバイルGoogleマップ
- Google Earth
- Google Sky Map
- My Tracks
- Googleマップのストリートビュー
- NAVITIME
- NAVITIMEドライブサポーター
- Yahoo!地図
- マピオンマップ
- 地図アプリ
- 全力案内!ナビv2
- GPS Status & Toolbox
- GPSSpeedGraph
- GPSSpeed
- Compass
- コンパスと地図
- 3D Compass
- Foursquare
- セカイカメラ for Android
- Layer
- ロケタッチ
- 天気予報
- Cliph Weather
- ピンポイント天気
- 東京アメッシュ
- 雨っす
- 日本のお天気レーダー
- ウェザーニュースタッチ
- ウェザーサービス
- AmeDeSka
- 世界天気時計
Foretrex101 使用記
もう古い情報になってしまったが、以前 Foretrex 101 (Foretrexの旧機種、低感度)を購入したので、その使用感について記載したい。何かあると持っていって使ってみていた。
簡単に使ってみた感想を記載してみる。
- やはり GPS 専用機は便利だ。トラックログの取得の便利さは PDA+CFカードタイプGPSレシーバーの比ではない。
- 腕時計型ではあるが、腕につけるにはちょっと大きい。リュックを背負うのであればそこにつけるのがいい。元々腕につけられるようになっているのでベルトを巻くような場所があれば簡単につけることができる。この容易さは Geko(コンパクトなハンドヘルドの旧機種) よりも上だろう。
- ただし本体部分が重いので、ちゃんと固定しないと本体の表面(=アンテナの向いている面のはず)が下を向いてしまうし、そもそも電波が本体に遮られてしまうので、感度も精度も劣化すると考えられる。
- コールドスタート時からの測位はそれほど速くない。電池がかなり持つので、一度測位をさせた後はそのまま測位をさせ続けるのがいいだろう。
- 地図が無いのでナビゲーションには当然向かない。トラックログの取得をし Kashmir3D で見るための用途と割り切るための装置だ。
詳しくは Foretrex101 使用記を参照していただきたい。
eTrexH 使用記
もう古い情報になってしまったが、以前 eTrexH を購入したので、その使用感について記載したい。
Foretrex 101は使い勝手はよかったものの、GPS感度の悪さがどうしても不満だった。GARMIN にも SiRFstarIII 搭載の GPSMAP60CSx (GPSMAPシリーズの旧機種)などが出ていたが、さすがに価格が高く手が出なかった。
そんな中、比較的安価な eTrex シリーズに高感度 GPS チップが搭載されはじめた。ということで、その中でも最も安価な eTrexH を購入した。
簡単に使ってみた感想を記載してみる。
- 高感度は使いやすい。リュックに適当に引っかけても何ら問題は無い。Foretrex101 で苦労したのがウソのようだ。
- 高感度であるため、一旦衛星を補足してしまえば、電車やバスの中でも問題なく測位し続けることができる。電池とログの残り容量に気をつければ、数日の旅行であれば移動中もログを取らせることができ、便利な旅の記録となるだろう。
- 高感度ではあると言っても、しばらく使っていなかったあとの最初の測位時は、見晴らしのよい場所で動かずに測位を待った方がよさそうだ。
- 操作性は Foretrex101 よりも劣る。ボタンなどか押しづらく、またレスポンスも悪い。画面の視認性も比較すれば悪く、コントラストを調整しても Foretrex101 並の見やすさにはならなかった。
- Foretrex101 同様、地図が無いのでナビゲーションには当然向かない。トラックログの取得をし Kashmir3D で見るための用途と割り切るための装置だ。
詳しくは eTrex H購入レビュー1、eTrexH 購入レビュー2を参照していただきたい。
PDA+CFカードタイプGPS受信機
従来から使用している、PDA+CFGPS2の紹介、および最近購入したコメットCF/3の紹介だ。GPS搭載ケータイやスマートフォンが充実した今となってはこの選択肢は無いと思うが、参考までに記載しておきたい。
ただしコメットCF/3は品薄らしいので、コメットCF/3*GSも販売されている。地図を用いた現在位置の確認と、ハンディGPSでいうところのウェイポイントの確認に使っている。
PDA+CFカードタイプGPS受信機の利点と欠点
利点と欠点をまとめると、次のようになる。
利点
- 日本語版ハンディGPSのカラー地図つき機種よりも安価に構成できる。
- 液晶が大きく見やすい。
- PCソフトとの連携がよい。またパソコンGPSショップでCFGPS2やコメットCF/3シリーズを購入する場合は Super Mapple Digital の機能限定版が付属し、地図の切り出しも簡単。
欠点
- 電池がもたない。わたしが持っていた機種では。eTrex Vista HCx なら25時間、電池交換可能。
- 比較的重い。わたしの場合は本体200g+GPS60g。eTrex Vista HCx なら150g。
- 大きい。わたしの場合は126(H) x 78(W) x 18.5(D) mmが本体。eTrex Vista HCx なら107x56x30mm。
- 防水が無く、雨が降ると使えない。eTrex Vista HCx は IPX7。
- NMEAの出力間隔が1sで固定(これは使用するソフトウェアに依存する)。eTrex Vista HCxは設定可能。
- スイッチがタッチパネルで、扱いづらい。
- 標準地図ソフトの Pocket Mapple Digital では、トラックログを他のソフトウェアで使用ときに比較的面倒。
電池が4時間しかもたない、というのが致命的だ。充電式であり電池が切れればそれでおしまい、というのが厳しい。GPSつきPDAとして有名な Mio P560 でもGPSを併用すると4時間。バッテリの劣化を考えれば4時間というのは妥当なところだろうか。
またPDAは小型コンピュータで、比較的扱いに気を使う。当然水気は厳禁だ。加えてタッチパネルでの操作が、思いのほかGPSには使いづらい。例えば胸ポケットに入れてしまうと知らないうちに何かが押されてしまっていることが多い。加えてカバンにくっつけておく訳にもいかないし、腕にもつけることはできない。従ってログ取りに使うというよりも現在位置を確認するために使うことが多い。ただ電源オフ後しばらくするとコールドスタート相当になってしまうようで、なかなかに使いづらい。
標準添付の Pocket Mapple Digital で保存したカスタム情報ファイル中のトラックログは、Pocket Mapple Digital Ver.6 以降であればテキストファイルへの Export 機能が実現されている。CSV なので、他のソフトウェアで取り込むには若干面倒かもしれない。
PDA+CFカードタイプGPS受信機の使用方法
PDAのCFスロットにGPSカードを、地図とウェイポイントをSDカードに入れて、使っている。PDA は PocketPC 2002 マシンの、Pocket Gear(MC/PG5000)だ。また地図ソフトは Super Mapple Digital Ver.6 だ。
PDA+CFカードタイプGPS受信機の組み合わせにおいては、次の使用方法をよく使っている。
- 予めPCから目的位置情報をコピー(ウェイポイントの入力に相当)しての、簡易ナビゲーション。
- 表示される地図を見ての、簡易ナビゲーション。
- PDA 上で位置情報を入力(ウェイポイントの入力に相当)し、PCにコピーしての、PC上での閲覧。
Super Mapple Digital の利点はベクトル地図であり、PDA でもそのベクトル地図が利用できて、ディスク容量を節約できる点だ。SD カードは容量が限られるので、この利点は大きい(たぶんグラフィックデータを PNG で保存するよりは小さいだろう)。
使用方法の概略を以下に示す。既に Super Mapple Digital はパソコンと PDA に既にインストールしているものとする。
<地図データの切り出し>
- ファイル−インポートおよびエクスポート、から、Pocket Mapple Digital 用ベクトル地図のエクスポート、を選択する。ラスター地図でもよいが、ベクトル地図の方が容量を食わない。今のところ北海道・北東北・関東近辺の「広域図」「中域図」が入っているが、256MBのSDカードでまだ1/3程度残っている。
- ベクトル地図のエクスポート、画面になる。右に「広域図」「中域図」「詳細図」が選択できる。ここで「詳細図」は選択しないのがよい。「中域図」が2万5千分の1相当なので、その程度でよいと思う。また「広域図」は適当に広く選択するのがよいと思う。あると便利だ。選択は左上の「矢印」を選択して、地図をドラッグして囲めばよい。右に選択した地図を保存するために必要な容量が表示されるが、実際はこれよりも若干少なくなる。
- 初めてエクスポートする場合は、「お気に入り」の部分に適当な地名を入れておく。
- 上に表示されているフォルダ名は、必要があれば適当に修正しておく。
- エクスポート、を押す。初めての場合は「お気に入りを作成しますか?」と聞いてきたら「はい」を選択する。
- 地図データをSDカードに移動する。地図データは「shobunsha¥」以下にできるので、それをSDカードの「My Documents」以下にそのまま移動する。
- パソコン内に地図データを残す必要はない。また追加する場合は、追加したい地図についてのみ同様の手順を繰り返せば、SDカードに必要な地図が追加される。
<カスタム情報の記録>
- Super Mapple Digital でカスタム情報(ハンディGPSで言うところのウェイポイント)を入力する。右クリック−テキスト、でテキスト入力のモードとなり、場所を入力したいところで左クリックを押すと入力できる。
- ファイル−名前をつけて保存、でカスタム情報をファイル(カスタム情報ファイル)に記録できる。
- カスタム情報ファイルを SDカードにコピーする。「My Documents¥shobunsha」以下にコピーする。
<地図ソフトの起動>
- PDAにCFカードタイプGPS受信機を挿入する。
- 地図−地図を開く、を選択する。上の「お気に入り」指定したファイルが出てくるので、選択する。地図が出てくる。
- カスタム情話−開く、で、上でコピーしたカスタム情報を選択する。
<GPSの起動>
- 画面右下の串のようなボタンを押す。これがGPSの起動ボタン。
- 機種、は、CFGPS2 では NMEA TOKYO Datumタイプ。コメットCF/3*GSは NMEA WGS-84 タイプ。接続ポート、は GPS 受信機の接続先ポートを指定する。ただ最初はポート番号なんて分からないので、COM1 から順番に試してみるのがよい。
- しばらく待つ。右上に「GPS:検索中」と出てくれば成功。「GPS:補足」と出てくるまで待つ。
- 右下のGPSの起動ボタンを押すと、測位終了だ。
<カスタム情報の利用>
- カスタム情報−移動、で入力したカスタム情報の一覧が出てくる。選択し「移動」ボタンを押すと、その位置へ地図を移動できる。
- カスタム−入力−テキスト入力、で新規のカスタム情報を入力できる。
<CFGPS2 情報>
- CFGPS2 は電源オフからの起動後、一定時間測位ができないとリセットされ、コールドスタートとなる。したがって測位までには視界がいい場所で1分程度必要となる。電源がオンのままなら、衛星が見えず測位に失敗し続けてもリセットされない。コメットCF/3 ではそのような現象は無い。
<Super Mapple Digital 情報>
- GPS受信機からの位置情報が一定時間変化しないと、Super Mapple 上は「停止」と表示される。
- Super Mapple Digital カスタム情報上で「フォルダ」を作成しカスタム情報をフォルダの下に保存できる。Pocket Mapple 上では、カスタム情報−絞込み、でフォルダを指定することにより、カスタム情報−移動、で選択できるカスタム情報を絞り込むことができる。
- Pocket Mapple Digital 上では駅名検索のみできる。したがってハンディGPSのウェイポイントのように、必要な目印の位置はあらかじめカスタム情報として入力する必要がある。
Mio P560
Mio P560 概要と特徴
先頃、Mio P560 が発売された。これは Windows Mobile6 搭載の PDA に GPS を内蔵し、専用のナビソフトを搭載した機種だ。GPS無しPDA+CFタイプGPSレシーバーよりも便利そうだ。ということで購入してしまった。
Mio DigiWalker P560 購入もご参照いただきたい。
この最大の特徴は、
- GPS内蔵
- MioMap というナビゲーションソフトウェア+ゼンリンの地図を標準搭載。
- Windows Mobile 搭載 PDA であり、Pocket Mapple Digital などが動作可能。
だ。ナビソフトの MioMap は世代を重ね、そこそこ完成度が高くなっている。使い勝手の面では、画面が3.5インチという制約や、ソフトウェアがまだ成熟していないこともあり、据え置き型のカーナビに比べれば劣る。しかし価格を考えれば、十分に満足できる領域に達している。以前 Mio の C310 という PND を使っていたが、これと比較すればかなり使い勝手は高まっている。
PDA+外部のGPS受信機、と比較するとGPSの使い勝手は格段に上だ。PDAの電源を入れ、ソフトを起動するだけで測位ができる。これはかなりのメリットだ。
GPS性能
肝心なGPS性能についてだが、これは SiRF starIII であり、感度も申し分無い。
ソフトウェア
OS が Windows Mobile 6 であり、PocketPC 関連の豊富なソフトウェアが使える。やはりお薦めは、Pocket Mapple Digital だ。
堅牢性
これは、どう考えてもハンディ GPS に軍配が上がる。そもそも PDA は水に濡れるとダメだし落とすと間違いなく壊れるので、取り扱いにとても気を使う。その点 GARMIN のハンディ GPS は防水性に優れている。落とすと壊れるかもしれないが、PDA よりは頑丈だろう。
やはり、野外で持ち歩くにはハンディ GPS が向いている。
PDA としての性能
拡張性を考えたときに、CF スロットが搭載されていないが、Bluetooth や無線 LAN が搭載されていて、そこそこの拡張性はある。SD スロットは SDHC 対応であり、大容量の SD カードが使用可能だ。
重要な PDA 性能としては軽さもある。Mio P560 は GPS もついていることを考えれば軽いしコンパクトだ。
電池のもち
もう1つの問題は、電池のもちだ。GPS を使用すると仕様上は4時間しかもたないことになっている。これはハンディGPSと比較すると極端に短い。
ただそれでも、MioMap を使いカーナビの代わりとして使うには十分だ。車で行ける場所までは電源を車から取り充電しながら使用し、徒歩で移動する場合は内蔵バッテリで動作させる。そうすれば、4時間程度でも十分に使えると思う。
ただし、4時間という稼働時間を考えれば、山登りなどでのログ取りには使うことはできない。なお USB コネクタから充電が可能なので、USB から供給できる小型バッテリを併用すれば、便利に使えるだろう。
ハンディ GPS との比較
最後に、ハンディ GPS と地図を含めて比較してみた。Mio P560 との比較で地図ありということでハンディ GPS としては eTrex Vista HCx (j) を考えた。結論は、
- 山で使う場合−eTrex Vista HCx(等高線つき地図あり、電子コンパス・高度計あり、長時間使用可能、防水性)
- 野外を歩き回りたい。地図も頻繁に見たいしログも取りたい−eTrex Vista HCx(長時間使用可能、防水性)
- 野外は歩くが、地図はたまに見るだけ。ナビゲーションはしない。ログは取りたい−eTrex Vista HCx(j)もしくは Mio P560+eTrex H(ログ取りにハンディGPSは必要。ただしこの用途では装置を分けることもできる。詳細な地図が見たい場合は Mio P560(詳細地図は Super Mapple Digital を別途購入しインストール) と地図無しの安価なハンディ GPS(英語版) の組み合わせが安く済んでよさそう。Pocket Mapple Digital Ver.8 では等高線つき地図も使用できる)
- カーナビや徒歩ナビに使いたい−Mio P560(MioMap のゼンリン1/25000地図、ナビゲーション機能あり。Super Mapple Digital を購入すれば、Pocket Mapple Digital の詳細地図も利用可能)
となった。ちなみにわたしの主な使い方は、野外は歩くが、野外では地図はたまに見るだけ。ログは取りたい。カーナビにも使いたい、だ。
補足だが、地図は eTrex Vista HCx(j) では MapSource(日本語版)というものが使用できる。ルート検索機能つき 1/25000 の地図や等高線つき 1/25000 の地図などがあり、microSD に入れて使用することができる。
ただし、気をつけないといけないのは、日本地図は日本語版のハンディ GPS でしか使えない、という点だ。日本語版ハンディ GPS は高いが、やむを得ない。それでも2007年以前よりは価格も下がってきていて、少しは買いやすくなった。
地図は電源のあるところでしか使わない、もしくはそれほど長時間使わない、のであれは、Mio P560 を使用した方がよいだろう。Pocket Mapple Digital の中域〜詳細地図は、かなり便利に使うことができる。
Mio P560 を使う場合、ログ取りに eTrex Legend HCx や Foretrex 301、HOLUX m-241 をお奨めしたい。P560 に負けない高感度 GPS 受信機であり、英語版ではあるがログ取りには困らない。
GPS 教材
GPS にのめり込んでくると、何かこれに関わる本を読んでみたくなる。そもそも、なぜ GPS で自分の位置が分かるのだろうか、という理屈が分からない。
そんなときのためにちょうどよい本がパソコンGPSショップで扱われていた。ここでは2冊紹介したい。
- GPS 技術入門
- まずはこちらをお奨めしたい。本の厚さは薄いものの GPS に関しての基本的な事柄は網羅されていて、読み物としてちょうどよい。GPS をやっていて何か疑問に思った場合、恐らくはこの本を読めば答えが見つかると思う。また本としても新しく、GPS の最新動向もそれなりに紹介されている。価格もお手ごろだ。
- 精説GPS
- こちらは教科書だ。値段もかなりする。その上本屋には売っておらず、このパソコンGPSショップ、もしくは本の著者に直接問い合わせて購入しなくてはならない。アメリカでGPSの教科書として作られたものを和訳したもので、日本で GPS 関係学会の教科書として使われたものを出版したものらしい。元々がそういう本だけあって内容は難しく、全てを理解するのは困難だ。GPS 技術入門、を読んだ上で、より細かく突っ込みたい部分についてこの本で調べるのがいいと思う。
ハンディ GPS スペック
*この項はわたしも理解不足なので誤りがあるかもしれず、参考として扱ってください。
ここでは、SiRF や GARMIN のページを参考に、ハンディ GPS のスペックについて検討してみたい。性能は、主に以下の3つで表される。
- accuracy(精度)
- sensitivity(感度)
- Time to First Position/Acquisition times(測位時間)
精度
精度は、σ、RMS、DRMS、CEP、95% などと記載されている。測位結果がどの程度ばらつくのか、を示す。小さい方が性能がいい。
ここでは単純のため、複数回測位した平均値が正しい位置と一致するものとする。また、現在の値は SA(Selective Availability)が無い状態での精度を指すことがほとんどのようだ。
- σ
- 標準偏差のこと。(((各測位結果−平均)の二乗)の総和)÷測位回数)の平方根、で表される。測位結果が正規分布に従う場合、平均値を中心に±1σ内には68%、±2σには95%の測位結果が入る。単純に言えば、例えば2σが20mとすれば測位結果の誤差はほとんどが20m以内ということだ。
- RMS
- Root Mean Square。σに等しい。
- DRMS
- Distance Root Mean Square。RMS に等しい。
- CEP
- Circular Error Probability(説明によっては Probable)。ただ CEP と表記されていた場合は 50% CEPのこと。平均を中心に半径 CEP の円を描いた場合、測位結果の 50% がその円内に入る。
- 95%
- GARMIN の仕様に記載がある。よく分からないが、2σのことを言うのだろうか。
感度
感度は測位できる最低の GPS 信号の強さで示され、dBm もしくは dBW という単位で表される。この値が小さい方が性能がよい(-160dBW よりも -170dBW の方が性能がよい)。
dBm と dBW の間には換算式があり、-160dBW = -130dBm となる。dBW とはデシベル・ワットの意味だ。-160dBW は 0.0000000000000001W のことで極めて小さい。なお、障害物が無いような場所での信号強度は -150dBW(-120dBm) 程度らしい。
たまに dB-Hz という表記を見るが、これは信号の強さとノイズ密度(C/N0)との比らしい。SiRF XTracの資料によると SiRF の提供する Evaluation Kit では 32dB-Hz = -142dBm 程度とのことだ。
これらはデシベル表記なので、-3dB で信号の強さは半分、-10dB で 1/10 となる。
感度は、衛星を捕捉する(Cold Start での Acquisition)ときと、そのあとで衛星を追尾する(Tracking)ときとで異なることがある。捕捉するのは大変なので高い信号の強さが必要であることが多い。
具体例を書いてみたい。
- GARMIN(の、OEM センサ。GPS15 など)
- -135dBm
- SiRFstarIIe/LP(旧版ファームウェア)
- -142dBm
- SiRFstarIIe/LP(XTrac ファームウェア)
- 捕捉時-142dBm/追尾時-158dBm
- SiRFstarIII
- -159dBm(恐らく追尾時)
ただし注意すべきは「どのような構成のシステムの、どこで信号強度を計っているのか」という点だ。例えば先ほどの SiRF XTrac の資料では、dB-Hz 表記は GPS 信号処理回路部分での値であり、32dB-Hz = -142dBm の換算は Active GPS antenna を使用する SiRF 提供のシステムでの値とのことだ。これは各社で測定条件が異なるようなので注意して見なければいけない。
Time to First Position/Acquisition times
測位に必要な時間のこと。Cold Star、Warm Start、Hot Start といった条件において測位を開始してから結果が出るまでの時間のこと。値が小さいほど、測位が早く完了するので性能が高い。
xxx Start などの基準は詳細は不明だが、SiRF と GARMIN とは定義が違うようだ。一般的には、Cold Start とは GPS 装置の中に何も情報が無い状態で測位を開始すること、Hot Start は例えばちょっと前に測位したことがあって最新の時間情報や Ephemeris・Almanac などがある場合を指すことが多いようだ。Warm Start は測位後長時間経った場合のことを指すらしく、Ephemeris の有効期限は2時間程度なので、Ephemeris は無く時間情報と Almanac などのみがある場合を指すのだろう。なお Tracking は測位をし続け衛星を追尾しつづけている状態なので Time to First Position は定義されない。
GARMIN では、SkySearch は何も情報が無い場合、AutoLocate は Almanac のみがある場合、Cold は位置情報・時間情報・Almanac がある場合、Warm は全て(Ephemeris を含むのだろう)がある場合を指す。
Reacquisition は例えば一瞬トンネルに入り測位が途切れ、トンネルを出て衛星が見えるようになってから測位できるまでの時間を指すのだろう。