Foretrex101 購入・設定

Foretrex101 を購入したので、その使い方などについて記載したい。

なおこの Foretrex101 は、GARMIN 社のハンディ GPS だ。何ができるのかと言うと、旅など外出したときに測定を行い、空が開けている場所であればその時刻と場所を記録することができる。それは帰宅後にパソコンで取り出し、地図に表示させたりすることができる。旅の記録を作るにはちょうどいい道具だと思う。

購入したもの

注意点

英語版の日本語マニュアルについては、I.D.A GPSオンラインショップでは日本語リファレンスをつけているようだ。またI.D.A GPSオンラインショップのページで閲覧が許可されているマニュアルもある。

第一印象

ハードウェア設定

簡易使い方

左電源ボタン
長押しでオン/オフ。短押しでバックライトのオン/オフ。バックライトオン時、設定した時間で自動的に消灯する。
goto ボタン
今のところ使わない。
page ボタン
画面切り替え。衛星ページ、地図ページ、ナビゲーションページ、トリップコンピュータページ、タイマーページ、メインメニューページ、衛星ページ、の順に切り替わる。またメインメニューページでの設定においては、一画面戻るのに用いる。
enter ボタン
メインメニューページで設定の確定や選択ボタンとして用いる。
矢印ボタン
メインメニューページでメニューのハイライト部分を上下させる。

初期設定(メインメニューページから行う)

省電力・ログ取得設定を行う。

また、設定後にたまたま見てみると設定が戻っていることがあった。ログを取る前に設定を確認するのがいいと思う。

TRACKS - SETUP TRACK - RECORD INTERVAL
TRACK 取得間隔(RECORD INTERVAL)を、AUTO から TIME に。これにより一定間隔でログを取得する設定になる。
TRACKS - SETUP TRACK - VALUE
Interval の VALUE を 00:30 (ログ取得を 30s 間隔)に。徒歩であれば 30s で問題はないだろう。なお Foretrex 101 では 10000 ポイントのトラックログが記録できるので、仮に 10s という短い間隔で保存したとしても 10×10000(s)=1666(min)=27(h) となり、丸1日以上使えることになる(逆に電池の方が心配)。
TRACKS - CLEAR TRACK
トラックログの消去をする。今後トラックログを PC に取得するたびに消去をする。
SETUP - SET TIME - TIME ZONE
TIME ZONE が TOKYO であることを確認する。
SETUP - SET DISPLAY - LIGHT TIMEOUT
液晶バックライトの自動消灯時間を 30s から 15s に変更する。
SETUP - SET SYSTEM - GPS MODE
GPS MODE を BATTERY SAVE(省電力設定)にする。5s に一回の測位となる。
SETUP - SET SYSTEM - BATTERY
電池設定を ALKALINE(アルカリ電池) から NIMH(ニッケル水素電池)に変更する。電池残量の表示に関係あるらしい。

次に、まずは測位をさせてしばらく置いておく必要がある。

Trip Computer 設定

「page」ボタンで Foretrex101 のページをめくっていくと、「Trip Computer」のページが出てくる。これが結構、使いやすいように設定すると使い物になる。次の結果を画面に出すことができる。ただし画面の分割が面倒で、「1画面を4つに分割したページ」「1画面を2つに分割したページ」「1画面ページ」の3ページで、計7つの情報を表示することができる。わたしが使用しないものは、とりあえず未使用とした。詳しくはIDA-ONLINEさんのページを参照していただきたい。

BEARING
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
COURSE
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
ELEVATION
現在の高度。高さは数字を見るとイメージが湧くので、出れば見てみる。
FINAL DEST
Final Destination。目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
FINAL DIST
Final Distance。目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
FINAL ETA
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
FINAL ETE
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
HEADING
進行方向の角度。
LAT/LON
現在の緯度経度。
LOCATION
現在の緯度経度。見て分かるものではないが、何となく出してみたくなる。
MAX SPEED
最高速度。
MOV'N AVG
MOV'N TIME
移動した時間。停止していた時間は含まない。どれくらいの時間動いたかが分かるので、見てみたくなる。
NEXT DEST
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
NEXT DIST
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
NEXT ETA
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
NEXT ETE
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
ODOMETER
OFF COURSE
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
OVER'L SPD
SPEED
現在の速度。
STOP TIME
SUNRISE
現在の場所の、日の出の時間。写真を撮る人には便利だろう。
SUNSET
現在の場所の、日の出の時間。写真を撮る人には便利だろう。
TIME
現在の時刻。
TO COURSE
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
TOTAL TIME
TRIP ODOM
移動距離。どれくらい歩いたかを見たいときに使う。
TURN
目的地があるときに出てくるらしい。未使用。
VERT SPEED
Vertical Speed。垂直方向の移動速度。
VMG
Velocity Made Good。目的地があるときに出てくるらしい。未使用。

わたしは、4分割ページに SPEED, TRIP ODOM, ELEVATION, MOV'N TIME、2分割ページに SUNSET, SUNRISE、1分割ページに LOCATION を表示させている。

Foretrex101 使用

Cold Start での測位

まずは障害物がないような場所(*1)でとにかく測位させてしばらく動かす。これは必要な情報(*2)を Foretrex 101 に覚えさせるためだ。15分程度動かせば初期化は終了すると思われる。

なお、測位成功後、何らかの原因で測位ができないと、以下のように出てくる。意訳するとこんな感じだ。(*3)

「衛星が見えない。屋内にいるのか?」
YES、と答えると、省電力のために GPS MODE が GPS OFF になる。
NO、と答えると次の質問だ。
「以前の測位から 100 マイル(およそ160km) 以上移動したか?」
YES、と答えると、内部に記憶した位置情報を初期化して、測位を続行する。
NO、と答えると次の質問だ。
「今日は xx年xx月xx日(現在保存されている時刻を表示)か?」
YES、と答えると測位を続行する。
NO、と答えると、時刻を初期化した上で測位を続行するようだ。

(周りに障害物がない場所*1) 理想は地平線/水平線上に何もない場所だがそんな場所はそう無いので、できるだけ空が開けている場所。水平方向よりも、垂直方向に近い衛星が多く見える方がよい。

(必要な情報*2) Almanac、時刻、位置と思われる。位置は当然測位によって得られるが、時刻も同時に得られる。これは測位演算が X, Y, Z の位置と時刻を最低4衛星からの信号によって求める演算(*4)だからだ。Almanac は衛星のおよその位置を求めるためのパラメータ集で、衛星からの信号に含まれている。衛星の位置は Almanac と時刻より求められる。従って現在のおよその位置が分かれば上空にありそうな衛星が分かり、次回の測位において衛星を探しやすくなる。この Almanac は障害物がないような場所でも最低でも取得には 12.5 分必要だ。また有効期間は2週間程度と言われている。

(衛星が見えないときの質問項目*3) 最初の質問は、衛星が見えなければ測位できる訳がない、ということだ。従って測位ができないような場合は、予め GPS OFF にしておくのがよい。次の質問は、GPS での測位方法に関係している。GPS 信号は 1ms ごとに同じ信号が繰り返されている。高速は秒速 30 万km程度なので 1ms で 300km であり、300km ごとに同じ信号が観測される。つまりある位置からある方向に150km移動しても逆の方向に150km移動しても同じ信号が観測されてしまうのだ。従って前回の測位位置から 150km 移動すると誤った計測がされて測位できなくなることがあり、その可能性があるかを質問している、のだと思う。次の質問も測位方法に関係している。恐らく衛星の探索は、保持する Almanac と現在時刻と前回の測位位置から見える衛星を予測して行っているものと思う。現在時刻が誤っていれば、その予測も誤ってしまう。その可能性があるかを質問している、のだと思う。

(X, Y, Z の位置と時刻を最低4衛星からの信号によって求める演算*4) 基本的に GPS の測位演算はこのように行う。これを 3D 測位という。ここで、垂直方向にそう動くことは無いという前提のもと、高さは前回の測位結果を用いて未知数を1つ減らし、3つの衛星で位置を求めることもできる。これを 2D 測位という。2D 測位は高さ方向を決め打ちで演算するため精度は落ちる(前回の高さ演算が間違っているかもしれないし、高さが前回から大きく移動しているかもしれない)が、衛星が3つで測位が可能であるという利点は大きい。

Cold Start 後の測位

Cold Start 後の測位、には2つある。

Cold Start 後「測位し続ける」を Tracking と呼ぶ。基本的にGPSはこの状態が最も性能が出る。例えば SiRF starIII に至っては -159dBm もの受信感度を誇る。これは一度測位に成功して Almanac や Ephemeris を衛星から取得すれば、ある程度の信号強度を必要とするこれら情報の取得が必要無いというのが大きな理由だ。

この状態で、Foretrex 101 では1秒(BATTERY SAVE モードでは5秒)ごとに測位し、指定したアルゴリズム(SETUP TRACK 設定)に従って Track Log として内部メモリに保存していく。

あまりに衛星からの信号強度が弱くなると「WEAK GPS SIGNAL」と出てきて測位できなくなる。特に何もボタンを押さなくとも、再度衛星が見えるようになればTracking状態に復帰する。

次に「Cold Start で測位成功後、一度電源を切って再度測位」だが、これは場合により「Hot Start」や「Warm Start」と呼ばれる。この定義を厳密に定義したものは見たことがなく、正直よく分からない。推測するに「Hot Start」は電源を一旦落としてすぐ(数分とか)後に起動した場合を指すのだと思う。

この場合は、Foretrex 101 内に必要な情報がほとんど保持されているので、すぐに衛星を取得できる。基本的には1秒で再度 Tracking 状態に入って欲しいものだが、実際に使ってみると測位するまでに数秒かかることもある。

「Warm Start」は電源を落としてから数時間〜数日経った状態だ。この状態では Foretrex 101 内には「現在時刻(ただしそれほど正確ではない)」と「Almanac」、それに「前回測位した位置」が記録されている。これだけの情報があると「どの衛星がこの場所からは見えそうか」というのが分かり衛星を探しやすいので、Cold Start よりは高速に測位を成功させることができる。実際に「Warm Start」状態でハンディGPSの電源を入れると、液晶画面に今見える衛星が表示されているのが分かるだろう。

カシミール3Dとの連携

基本的な使い方

カシミール3Dとの連携方法は次のとおりだ。

注)カシミールでの測地系については、世界測地系についてを参照のこと。個人的には以下の設定で使っている。データの扱いは WGS84 測地系で行い、表示のみ必要ならば Tokyo 測地系で行うという方針だ。ただしカシミールにおいては測地系の変換は気にしなくても自動的に正しくなるよう変換されるため、特に気にしなくてもいいのだろう。

家のベランダから1時間程度測位(定点)してみたが、およそ半径100m程度の円に入っていた。GPS の測位精度を表す場合、その測定点の95%(2 Sigma)が半径何メートルの円内に入るか、という方法がある。それで言うと100m程度になるのだろう。

カシミール3Dと位置つきデジカメ画像

位置情報つきのデジカメ画像、というものがあるのを皆さんはご存知だろうか? デジカメ画像には一般的には「撮影日と時間」「撮影したカメラ名」「シャッター速度」などの情報が自動的に記録される。WindowsXp をお持ちの方は、エクスプローラから「右クリック−プロパティ」でプロパティ画面を出し、「概要」タブから「詳細設定」をクリックするとこれらの情報を見ることができる。

さらにWindowsXpでは(あまり一般的ではないので)表示されないが、位置情報(緯度・経度)をつけることができる。つまり、画像に「どこで撮影したのか」という情報を追加することができる。

写真に必要な情報として思いつくのは「いつ撮影したのか」だ。コンパクトカメラのフィルム写真であれば、右下に日付を入れることが多いだろう。その他に「どこで撮影したのか」が分かれば大変便利だと思うのだが、残念ながら今でもあまり一般的ではない。一般的ではない理由は、「位置情報をつける方法があまり無い」と「位置情報を見る方法があまり無い」からだと思う。

ところが今では、実はこれらが簡単にできる方法があのだ。それは、「GPSつきケータイで写真を撮影」して写真に位置情報をつけ、「ケータイからその場所を見る」もくしは「カシミール3Dでその場所を見る」だ。

auのケータイには基本的にはGPSがついている。DoCoMoではSA700iS, SA800iにGPSがついている。Vodafoneでは903T、904TにGPSがついている。これらのケータイでは比較的簡単に写真に位置情報をつけることができる。SA700iS で写真に位置情報をつける方法はこちらの記事を参照いただきたい。

次にこの位置情報を見る方法だが、ケータイから見るのが最も簡単だ。SA700iS で写真の撮影場所を見る方法は先ほどの記事を参照いただきたい。

しかしさらに使いやすいのは、カシミール3Dで撮影場所を見る方法だ。その方法は至って簡単、ケータイ写真をminiSDなどでPCへ移し、その写真データをカシミール3Dのウィンドウにドラッグ&ドロップしてしまえばいい。

地図の中心にカメラのアイコンが出ているのが見えるだろう。そのアイコンの表示されている場所が、写真を撮影した場所だ。カメラアイコンをクリックするとその写真を見ることができる。

たくさんの画像をカシミール3Dに放り込むと、どこに何があるのか分からなくなりそうだ。その場合はカシミール3Dのメニューで「リンク」−「リンクデータ一覧」を選択する。すると放り込んだ写真の一覧が出てくる。見たい写真を選び「右クリック」−「ジャンプ」でその写真の場所を地図の中心に表示することができる。

なお、GPSと写真の位置情報についての詳しい説明は省くが、この Google の検索結果から調べていただければと思う。写真データに関連するデータの規格を「Exif」といい、その中で位置情報に関する部分を「GPS IFD」というらしい。

デジカメプラグイン

今後記載予定。とても便利なので使ってみていただきたい。