それは、年も明けておとそ気分の抜けきらない、2002年1月6日。突然、愛機 VAIO C1 の HDD がクラッシュしました。

 これは、再度 C1 を動作させるまで(データの復旧は現状無理です)の記録です。

 状況は、

・HDD は認識すらしない。

・純正 CD-ROM ドライブ PCGA-CD51/A がない。

・リカバリ起動ディスクすら作成していない。

というものでした。なかなか、絶望的です・・・

 では、ご覧ください。





 1月6日。

 朝起きると、VAIO がありません。寝ぼけ眼で辺りを見回すと、コンセントから電源ケーブルが伸びていて、そして、それが床においてあった座布団の下に入っているのです。

 わたしは慌てて、座布団をどけました。

 そこには、ぺったんこになった(つまりは、液晶が全開となった) VAIO がありました。画面は映っています。少しさわってみましたが、うんともすんともいいません。

 いつものようにフリーズしたか、と思いながら、液晶が割れていないか見てみました。ぺったんこになっていた、ということは、踏まれたと考えられるからです。

 どうやら、液晶には問題なさそうでした。そこでわたしは、いつものように電源ボタンを押して、電源を落としました。

 そして、再度電源を投入してみました。

 動きません。

 Operating System not found (だったかな)、と出てきます。

 何かがおかしいのです。再度電源を落として、また入れてみました。

 動きません。

 ようやく、何がおかしいのかわかりました。電源を入れたときに、かこん、かこん、という小さな音がするだけで、HDD の回転する音がしないのです。

 パソコンが壊れた・・・

 わたしは青くなりました。何せ、バックアップは半年以上も取っておらず、その上に、二度と撮れない重要な写真が、ディスクに入れっぱなしになっていたからです。

 しかし、何とかしないといけません。まずは、HDD のクラッシュなのか、パソコン本体が壊れたのか、状況を把握する必要があります。

 まずは、FDD を接続して、起動を試みました。起動ディスクには、他のパソコン用の Windows95 の入ったものを利用しました。

 しかし、動作しません。最初の VAIO ロゴは出てくるのですが、ディスクを読みにいって、止まってしまうのです。

 次に、再度電源を落として F2(でしたっけ) を押しながら電源を入れ、BIOS を起動してみました。

 HDD は、BIOS で認識されていませんでした。これで、HDD が壊れたことが、ほぼ確定的になりました。

 わたしは絶望で目の前が真っ暗になりました。叫びました。

 しかし、失われたデータが戻ってくる訳ではありません。それにしても、失われたデータの価値は、大きなものでした・・・



 それでも、このまま放っておく訳にはいきません。C1 はメインに使用しているパソコンなので、修理するか、もしくはノートパソコンを新調しないといけないのです。

 まずは、SONY のカスタマーリンクに電話してみました。安く直るものなら直そうかと思ったのです。しかし、ようやくかかって、そして聞いた答えは、「修理には8万かかる」との、絶望的な言葉でした。

 それには、さすがに愕然としました。何せ C1XG のディスクは 12G です。何でそれに、8万もかかるのでしょうか・・・ SONY の人は、部品代が7万程度、などと言っていました。

 ここでわたしは、新調を覚悟しました。東芝の Libretto L2 が 10 万台前半で買えるのです。さすがに、C1 の修理に8万もかける気にはなりませんでした。なにせ、買ったときからすぐにフリーズする、不安定なパソコンなのです。それを使い続けるなら、買い換えようかと思いました。



 さて。少しは買う気になったのですが、10 万強の突然の出費は家計に痛すぎます。何とか、この出費を抑えなければなりません。

 そこで、何とか安く修理できないか、と、C1 HDD の交換ページを探し始めました。ちょっと古めのデスクトップが手元にあったのが、幸いしました。

 探すうちに、以下のページを見つけました。

 最愛の VAIO を作る会C1 HDD 交換(古いタイプですが)

 そしてここには、以下のページが載っていたのです。

 サテライトアップグレードステーション

 ノートパソコン HDD の交換を安価で行ってくれる業者さんでした。12G で8万というオソロシイ金額に比較し、ここは、20-30G で2万程度、という、破格の値段でした。

 そこで、デスクトップにメールソフトをインストールし、早速、問い合わせてみました。

 返事を待つのと平行して、さらに、情報収集を進めました。結果、以下のようなページを見つけました。

 VAIO PCG-C1x KNOW HOW

 VAIO ノート活用研究所

 前者は、再インストール時に助かりました。後者には、C1-XG の HDD 交換法を初めとして、インストールの仕方、メモリ増設法などが載っていて、大変重宝しました。

 ここまで見て何とかなりそうだとの期待が出たので、パソコンの新調、という選択肢は捨てました。本体は壊れていないようなので、2〜3万程度の出費で動くようにはなりそうです。

 しかし、ここで1つ、問題が生じました。

・VAIO の純正 CD-ROM ドライブ PCGA-CD51/A を持っていない。

・リカバリ用起動ディスクを作成していない。

 CD-ROM ドライブを持っていなかったので、起動ディスクを作成していなかったのです。どうせ作っても使えないだろう、と作っていなかったのですが、これには参りました。

 何せ、どうやったらシステムリカバリ CD-ROM が使えるのかも分からないのです。使えないにしても、参考にはなりそうでした。

 が、とりあえずはこの問題はおいておくことにしました。もしかしたら、サテライトアップグレードステーションでリカバリをやってもらえるかもしれないからです(それについても、問い合わせていました)。

 そして、失意のうちにその日は終わりました。



 翌日。会社が始まります。

 そんな気分で仕事はできませんが、翌日に業務内容の発表を控えていました。仕事をするしかありません。

 もしサテライトアップグレードステーションより連絡があればすぐに送れるよう、家人に手配を頼んでいました。

 しかし、帰宅時間になっても連絡はありませんでした。週末にパソコンを持ち出したい用事があったので、それまでに修理を終えていたい、という事情もあり、この時点でサテライトアップグレードステーションを諦めて、自分で HDD の交換を行うことにしました。

 そして終業時間を待ち、秋葉原へと向かうこととしました。

 購入した HDD は、IBM Travelstar DJSA-220 という、20GB の HDD でした。価格はおよそ 13K、以前よりも容量が増えてこの値段なのですから、SONY の修理がいかに高いかが分かります。

 さて、HDD を持って帰宅し、家人に手伝ってもらって C1 の分解にとりかかります。このときには前述の VAIO ノート活用研究所内の、

 PCG-C1VJ シリーズ HDD 交換方法

を参考にしました。C1XG もほとんど一緒でした。唯一異なっていたことは、HDD にゴムのラバーのようなものがついていたことです。これは壊れたものからはがして、新しいものにつけました。

 一番困難だったのは、ヒンジカバーの取り外しでした。これがうまく外れず、かなりキズをつけてしまいました。他は、ほとんど問題なく進みます。

 しばらくして壊れた HDD が出てきましたが、IBM Travelstar DARA-212000 という機種でした。どうも、今回購入した DJSA の前の機種のようです。見た目は全く一緒でした。

 この後は分解した逆の手順で組み立てていく訳ですが、機体手前のツメをひっかけることを忘れてしまいました。後で精密ドライバーで押し込もうとしたのですが、折るハメになってしまいました(T_T) ヒンジカバーをつける前に、全て元通りになっているか、確認するのがよさそうです。

 さて、まずは BIOS で認識しているか、確認を行いました。めでたく認識されていて、これで、本体は無事であることが確定しました。

 次いで FDD を接続し、別のパソコン用の起動ディスクで起動できることを確認しました。これで、HDD の換装は完了しました。

 ところで、サテライトアップグレードステーションからの返事が、ようやくここへきて届きました。もう換装してしまった後なので利用しない旨、連絡しました。



 次に、OS の復旧です。当然システムリカバリ CD-ROM から行う必要があるのですが、前述のようにリカバリ用起動ディスクもなければ、純正ドライブもありません。ネットで検索してみたところ、ドライブは1万以上もするようです。

 もったいないので、家にある、I/O データ製の PCSC-V という SCSI CD-ROM が使えないか、検討してみることにしました。これは、C1 の前に持っていた IBM ThinkPad535E と一緒に購入したドライブです。

 するとこの CD-ROM、おなじみ VAIO ノート活用研究所内の、

 起動ディスクあれこれ

に載っています。TP のときの起動ディスクは作成していましたが、これを、VAIO の PCMCIA スロットを認識するように直すだけで、何とかなるような気がしてきました。

 そこで、デスクトップを用いてシステムリカバリ CD-ROM を見てみました。すると、上記ページに書いてあるドライバは全てありました。

 最初は FDD の全てカレントディレクトリにおいて起動してみたのですが、動作しませんでした。上記ページにあるように、PCMCIA 用ドライバを PCCARD ディレクトリ以下に置くと、認識するようになりました。どうも、ディレクトリ構造が決まっているようです。

 PCMCIA を認識すると、SCSI カードの認識、CD-ROM ドライブの認識は ThinkPad の時の設定でそのまま通り、C1 からシステムリカバリ CD-ROM が読めるようになりました。



 読めるようになったのはいいのですが、どうもデータはディスクイメージになっているらしく、どのように読んだらいいのかが分かりません。リカバリ起動ディスクを作成していればそこに書いてあったのでしょうが、ないものは仕方ありません。

 CD-ROM を見てみると、restore.exe という、いかにもそれっぽい実行ファイルがあります。そこで、その名称でネットにて検索してみました。

 すると、

 VAIO ノートの再インストール:リンク先閉鎖したらしいです

というページがみつかり、そこに、restore.exe を用いて復旧させて例が載っていました。ただしそこでは、CD-ROM を認識しない VAIO にインストールするための方法が載っていて、今回のわたしの場合は、このケースよりも簡単そうです。

 まずは、先ほどの起動ディスクから起動し、FDISK, FORMAT コマンドにて、ディスクをフォーマットしました。フォーマットの形式は FAT32 を用いました。

 次いで、上記のページにあるように、restorer.exe を実行しました。カレントを CD-ROM の restorer.exe のあるディレクトリへと移動し、

restore.exe 1:1 \RcvCD\sony.img -v

とします。-v は、なくても構いません。1:1 とやると、CD-ROM から、HDD の最初のパーティーションにデータをコピーするようです。

 しばらく待つとコピーは終了します。dir とやると、何も出てきません。再起動すると見えるのだろう、とあたりをつけて、再起動してみます。

 すると案の定、見慣れた Windows98 の旗がはためきました。成功です。



 ここで一つ、問題があります。前述の、

 VAIO PCG-C1x KNOW HOW

を見て気づいていたのですが、このままではハイバネーションができないのです。そこで、このページとおなじみ VAIO ノート活用研究所内に、

 システム・ハイバネーション機能設定方法

というものがあったので、これらを参考に、ハイバネーションの設定をすることにしました。

 ハイバネーションの設定をすると、メモリ容量と同量のファイルをHDD内に作成します。しかしこのファイル、活用研究所のページにあるように、デフラグ直後、それよりも、システムインストール前に作成しておきたいものです。そこで、再度ディスクをフォーマットし、ハイバネーション用ファイルの作成を試みることにしました。フォーマット後起動ディスクで立ち上げ、CD-ROM 内にあるコマンド

phdisk.exe

を用いました。試しに何もオプションをつけずに立ち上げたところメニューが出てきたので、何も考えずに、Create file(とかいうようなメニュー)を選択し、作成しました。すると、現在搭載しているメモリ量にあったハイバネーション用の設定ファイルを作成してくれます。

 作成したあとに再起動をかけ、再度起動ディスクで立ち上げて確認すると、ファイルはできていました。

 ところが、この後 restorer.exe を用いて OS を入れると、ハイバネーションができないのです。もしや、と思って見てみると、作成したはずのファイルがなくなっていました。restorer.exe は既存のファイルを全て消してしまうようです。

 仕方なしに Windows 上でデフラグをかけ、起動ディスクで立ち上げ、そしてハイバネーション用ファイルを作成しました。

 これにて、ハイバネーションも問題なく動作するようになりました。



 以上で、インストール作業は終了です。あとは、手を尽くして手元にある昔のバックアップを手がかりに、復旧させるだけです。

 それにしても、不安定なのは相変わらずです。何とかならないんでしょうか、VAIO ノート・・・

 また、この新調した HDD、たまに、かこーん、というすごい音をたてます。VAIO ノート活用研究所を見るとそういうHDDらしいのですが、こまめにバックアップを取るのがいいようです・・・



 後日。悔しいので、メモリを増設することにしました。おなじみ VAIO ノート活用研究所内に、

 メモリ増設方法とその効果について

というページがありまして、そこを参考に、購入するメモリを選定しました。結局購入したのは I/O データの SNC1-64M です。5K しませんでした。128M にすると少し出っ張るようなので、避けました。また、このページによると C1XG は空きスロットが1つあるようなので、そこへ増設すればいいようです。

 このページ内の PCG-C1 を参考にしようとしたのですが、PCG-C1 とは異なり C1XG ではねじ止めで、あっけなくフタは外れました。

 次いで増設なのですが、これも、あっけなく終わりました。スロットが1つだけ出ていて、かつ、空いているので、そこに、SNC1 のマニュアルにあるように差すだけでした。

 ここで電源を入れてシステムのプロパティで確認すると、めでたく 128MB に増えていました。

 ただこれだけでは終わりません。デフラグをかけた上で起動ディスクで立ち上げ、ハイバネーション用ファイルを phdisk.exe コマンドのメニュー画面を用いて削除し、再起動ののち、同メニュー画面より作成します。何もオプションなどをつけないと今のメモリ容量にあったサイズのファイルを作成してくれるので、phdisk に任せることにしました。

 そして再起動。めでたくハイバネーションが成功しました。


 さらに後日。

 悔しいので、クラッシュしたディスクが復旧できないか、調べてみることにしました。

 友人から 2.5 インチ - 3.5 インチの変換器を借りてデスクトップに接続してみたのですが、やはり円盤が回転しないようで、認識しません(いろいろやっている内に FDD の電源ケーブルがおかしくなって、FDD と近くにあった IDE のケーブルが融けました(T_T))。

 調べたところによると、

 MIC NET

円盤のどこかにディスクの情報が書いてあるので、回転しないことには認識しないようです。

 ヘッドが壊れたのか、ヘッドがディスクに吸い付いてしまったのか、基盤が壊れたのかは分かりませんが、とにかく、振ったりしてもダメでした。

 そこで、web で検索をかけて、復旧できる手段がないのか、探してみました。

 以下のようなサイトが見つかりました。

 PC Rescue 881

 Alpha Techno

 後者には、OnTrack という社名が出てきます。データリカバリ、というキーワードで検索をかけるとよく出てくる名前で、この会社が実際の作業を行っているようです。

 前者は自前で作業を行っているようです。

 まずは後者の方を見たのですが、料金表を見たときに、驚きました。今回の故障は物理故障という範疇になります。ディスクが 12G で、いくらパーティーションが2つに分けられていたと言っても、復旧対象のディスク容量は何Gの単位です。で、料金表と比較すると、調査だけで2万円、復旧には100万程度かかるのです。

 前者は自前で行っているだけに少々安いようです。方法は2種類あって、同型の HDD を部品取りに使い壊れた部分を修理する方法、ディスクを解析して取り出す方法、があるようです。修理するのは30万程度、解析して復旧すると50万はかかるようです。問題は、直接搬入しないといけない点でしょうか。

 いずれにしろ、高すぎます。が、いつか修理を依頼できればいいのです。いつか、データが復旧できればいいのです。

 ただそれでも、安くあがるに越したことはありません。そのために、同型の HDD を確保しておくことにしました。HDD は日に日に大容量化しているので、早めに確保しておかないとなくなってしまいます。

 そこで、新品でも中古でもいいから確保する、ということで秋葉原を一日歩き回ったのですが、ありません。同シリーズでは 6GB のものや 18G? はあったのですが、12GB はありませんでした。今は、DARA の次の次のシリーズが現役のようです。

 仕方ないので、Yahoo のオークションで、型番の DARA-212000 にて調査しました。

 すると、あります。これを手に入れるためにオークションに登録し、結果、送料を含めて7000円程にて入手しました。

 せっかく同型のディスクを入手したので、試しに基盤を交換して動作するかを確認してみることにしました。もし基盤の故障であれば、交換で動作する可能性があるからです。しかしやってみたところ、ダメでした。これはもう円盤そのものに問題があるとしか考えられず、リカバリサービスを使うしかなさそうです。


 さらにさらに後日。ここまでして直した VAIO を、家人がテーブルから落としてしまいました。

 運の悪いことに、USB ケーブルがささったままでした。HDD のクラッシュは免れたものの、見事に USB のコネクタ部分が曲がってしまい、ほとんどの USB デバイスを認識しなくなってしまいました(T_T)

 とことんついていない、ノートパソコンです・・・


 さらに1年後、2003年2月のこと。

 今度は VAIO の上にビールをこぼしてしまいました(T_T)

 慌てて電源を落としひっくり返してビールを外に出しできるだけふき取りました。そして乾いたあたりを見計らって、意を決して電源を投入!

 Windows は起動しました。が、ビープ音が鳴りやみません。どうもキーボードの接触がおかしくなって、押しっぱなしになってしまっているようです。

 分解して乾かしたりもしたのですが、ダメでした。というより、やる毎に効かないキーボードの場所が変わります(^^;;;;;

 しかしそれでも、マシン自体は動いています。恐らくキーボードの交換をすれば治るはずです。おなじみ VAIO ノート活用研究所内に、

 VAIOの部品を取り寄せてみる

というのを見かけたので、試しにかけてみました。

 ダメでした(T_T)

 やむを得ずカスタマセンタに電話して、修理を依頼しました。(HDD を換装していましたが、修理は可能とのことです)

 しかし問題が。中に入っているデータをどうやって消すのか!

 1年前の失敗に懲りてそれなりにバックアップを取っていたため、データがなくなったのならば取り返しはつきます。ですが逆に残っている今回はどうするのか?? さすがに、あんなデータやこんなデータの入ったパソコンをそのまま修理に出す訳にはいきません。ですがキーボードは効きません。さてどうしよう??

 家人が、USB のキーボードをさせば動くんじゃない? と提案してくれました。手近にたまたま USB のキーボードがあったので翌日持ってきて試したところ、正常に認識して動作しました。これで見られてはまずいデータを削除して、修理に出すことができました。

 後日かかってきた電話によると・・・ キーボードは正常とのこと。ばらしたり組み立てたりしているうちに、コネクタが緩くなって一部のキーの入力ができなくなっていたようです(^^;;;;;

 しかしこれでも技術料はかかってしまうので、いっそのこと1年前に壊した USB コネクタを修理してもらうことにしました。

 修理料 22365 円・・・