はじめに
2003年10月11・12・13日の3日間で宮澤賢治の里花巻、紅葉の岩手八幡平、その他グルメの旅へ行きましたので、紹介します。(花巻には2004年5月にも訪れたので、その紹介もします)またその折りにJR東日本の三連休パスを利用しましたので、その紹介もします。
紹介した場所のSuperMappleDigital用 CSVを用意しました。テキストファイルのインポートから利用することができます。整数(1/1000秒単位)ですので、他にも読み込めるソフトウェアがあるかと思います。SuperMappleDigitalV3用のカスタム情報ファイルも用意しましたので、ご利用ください。
主な行程 | 目的 | |
1日目 | 東京−>新花巻,花巻 | 宮澤賢治の里 |
2日目 | 北上−>盛岡−>八幡平 | 八幡平 |
3日目 | 盛岡−>秋田−>東京 | きりたんぽ,しょっつる鍋,冷麺 |
1日目 | 東京駅−(新幹線)−新花巻駅−(徒歩)−なめとこ山(そば屋)−(徒歩)−宮澤賢治記念館−(徒歩)−宮沢賢治童話村−(徒歩)−新花巻駅−(新幹線)−北上駅−(徒歩)−ホテル−(徒歩)−北上駅−(在来線)−花巻駅−(徒歩)−未来都市銀河地球鉄道壁画−(徒歩)−花巻駅−(在来線)−北上駅−(徒歩)−ホテル−(徒歩)−枕流亭(夕食)−(徒歩)−ホテル 2004年5月に羅須地人協会・賢治の家 |
2日目 | ホテル−(徒歩)−北上駅−(新幹線)−盛岡−(レンタカー)−八幡平アスピーテライン−頂上駐車場−(徒歩)−ガマ沼−八幡平山頂−八幡沼−頂上駐車場−(レンタカー)−八幡平アスピーテライン−御在所園地−安比高原 |
3日目 | 安比高原−(レンタカー)−盛岡−(新幹線)−秋田(杉のやトピコ店:きりたんぽ・しょっつる鍋)−(新幹線)−盛岡(盛楼閣:冷麺)−(新幹線)−東京 |
旅行計画と三連休パス
2003年10月11・12・13日の3日間に、運良く三連休を取ることができました。ただ取れることが決まったのが前日の金曜日で、結果、とにかく宿・レンタカー・切符の手配をし、出発してから行程を決める、というむちゃくちゃな旅となりました。メンバーはわたしと家族の2人です。
まずはこの時期だから紅葉だろう、ということで、Web で紅葉情報を調べました。使ったのはじゃらんの紅葉ガイドやgooの紅葉情報、BIGLOBEシーズンです。この時期で紅葉と言えば東北がメインですので、必然的に行き先は東北になりました。ただ東北と言ってもこの時期での紅葉の名所は限られていて、選んだのは、八幡平、栗駒山、鳥海山でした。
ここで家族から、この地方へ行くのだから花巻の宮沢賢治記念館などに行きたい、との要望が出て、宿泊地や日程の兼ね合いから、
- 1日目 宮沢賢治の里・花巻
- 2日目 八幡平
- 3日目 気の向くまま(笑)
となりました。宿泊地は家族が金曜日に気合いで調べ、宿ぷらざおよびじゃらんから、1日目は北上駅前のビジネスホテル、2日目は安比高原のペンションと決まりました。
あとは交通手段です。JR東日本おトクなきっぷ、JTBのアイじゃぱん(東北/盛岡・陸中海岸・遠野の2冊)などを参考に、三連休パス、ふたりの北東北フリーきっぷ、青森・十和田ゾーンの周遊きっぷ、田沢湖・十和田湖ゾーンの周遊きっぷを検討しました。この内周遊きっぷは他の切符と比較し価格の優位性がないことから外し、ふたりの・・・は北上・花巻がフリー区間に含まれないことから外し、結果として三連休パスを利用することになりました。なお三連休パスは前日までに購入しないといけないので注意が必要です(普通はもっと早く計画を立てるので問題ないとは思いますが)。また三連休パスは4回まで指定席を取ることができるのですが、こんな時期にわたしたちのように寸前になってから取ろうとしても東北新幹線は行きも帰りも全て予約済です。早めの予約をお勧めします(1ヶ月前から予約可能です)。「はやて」や「こまち」は全席指定ですが、指定が取れない場合は立席特急券の扱いで乗ることはでき、たまたま席が空いていれば座ることができます。指定を取れた場合は、自動改札で三連休パスと一緒に通すのがいいようです(JR東日本ですと、検札が省略してもらえるようです)。
この三連休パス、使ってみるとなかなか便利です。特に新幹線を移動手段にできるのは便利で、わたしたちは宿のある北上と花巻の往復に使ったり、ふと、きりたんぽが食べたくなって、3日目こまちで秋田へ行ったりしました。
なお八幡平へは盛岡からレンタカーで行く予定でしたが、さすがにこの時期はJRの駅レンタカーは全て予約済で、たまたま空きのあったオリックスレンタカーを利用することにしました。ただカーナビが標準装備ではないので、注意が必要です(頼むのを忘れて、カーナビ無しで知らない道を走ることとなりました)。
花巻・宮沢賢治の里
まず、東京駅から東北新幹線で一路新花巻へと向かいました。この東北新幹線ですが、おなじ「やまびこ」でも特に東北北部となりますと列車によってかかる時間が大きく違います。あらかじめ時刻表などで調べることをおすすめします。座れそうだからということで手近な列車に乗ると後悔します<わたしのこと。
この新花巻駅ですが、こう言っては何ですが、近くにはほとんど何もありません。お土産物屋さん&食事処があるくらいです。また、交通手段に注意してください。宮澤賢治ゆかりの場所は花巻市内に複数ありますが、歩いて全てを回ることは無理があります。わたしたちは歩いて回ったのですが、記念館と童話村に行くのがやっとでした。夕方になってしまうと、閉館時間になってしまうものもあります。せっかく訪れるのですから、十分に行きたい場所と交通手段を検討した上で、早めに新花巻に入ることをお勧めします。交通手段には、レンタカーか花巻市内を回る花巻観光バス、もしくは市内循環バスを利用するのがいいかと思います。市内循環バスは100円で利用することができ便利なのですが、本数が少ないのでリンク先のページを参照し時間を確認してからご利用ください。
花巻および新花巻にあるお弁当屋さん「まるろく」では、数は少ないもののレンタル自転車を扱っています。時間が取れるようでしたら、このレンタサイクルの利用もお奨めします。2004年5月の旅行では、新花巻駅のまるろくを、事前に電話で予約して利用しました。
まずわたしたちは、新花巻駅で荷物をコインロッカーに預けたあと、歩いて宮沢賢治記念館(位置)へと向かいました。県道286号線から左に折れて国道456号線に入り、途中から若干の上り坂になります。しばらく歩くと左手に童話村(位置)が見えてきます。童話村とは逆、右手に折れて坂道を上ると記念館に着くのですが、わたしたちはその前に童話村横の「なめとこ山」というそば屋さんを訪れました。小十郎そば、という名前のそば粉10割のそばが名物らしいので、是非とも食べてみてください。
さて、そばをいただいたあとは舗装された坂道を上って、宮沢賢治記念館に向かいます。2004年の連休には、童話村から記念館への無料バスも出でいましたので、情報を確認してみてください。この記念館では宮沢賢治の作品やメモそのもの、また作品にまつわる様々なものを展示しています。いろいろありますので、十分な時間を取ることをおすすめします。2時間は必要なのではないでしょうか。なお、入館には350円が必要です。童話村との共通チケットも販売されていて、そちらは550円です。童話村のチケットが350円ですから、両方回るのであれば150円お得です。2004年からは花巻市博物館との共通チケットも販売になりました。また、近くの花巻新渡戸記念館との4館共通券(1000円)もあります。
次に、童話村へ向かいますが、来た道とは異なる、裏手の道?から下ります。こちらは車が通れないので注意してください。こちらの野外にも宮沢賢治にまつわるものが展示されていて、その1つが上に貼ってある、宮沢賢治設計による日時計花壇です。また、この時期に訪れますと美しい紅葉が見られます。春に来ますと、新緑がきれいです。
山道を下ると、童話村が見えてきます。こちらはより大規模に、宮沢賢治の特に童話をモチーフにした広大な設備で、宮沢賢治の童話の世界や、童話の中に出てくる動物たちが紹介されています。どちらかというと、宮沢賢治の童話を気に入った子どもたちのための設備といった感じです。大人の方は、費用のかかる「賢治の学校」「賢治の教室」は一度行っておけばいいかな、と思います。時間があれば、林の散策コースに行かれるのがいいのではないでしょうか。
この他にも宮沢賢治ゆかりの場所はたくさんあるのですが、残念ながら時間の関係でこの程度しか行けませんでした。これから行かれる皆さんは、もっと余裕を持って行かれることをおすすめします。
なお、2004年5月の旅行では羅須地人協会・賢治の家へ行くことができましたので、それについて記載します。
羅須地人協会・賢治の家は、花巻空港近くの花巻農学校構内にあります。車で来た方は、学校正門(北側)にある道路沿いに駐車場がありますので、そこを利用してください。
学校入口に受付などはなく、直接正門から入っていきます。しばらく進んで右手に入口が見えてきます。入口の向こう側に見える一軒家のような建物が、羅須地人協会・賢治の家です。有名な「下ノ畑ニ居リマス」の黒板が入口に掲げられています。賢治が住んでいた頃はこの建物は今の宮沢賢治詩碑のあたりにあり、そこへ行くと「下ノ畑」が見えるそうです。
「賢治の家」の入口ですが、通常はカギがかかっていて賢治の家奥に見える管理センター??でカギを貸してもらえるのですが、この日は GW だけあって開いていました。入口を入って展示されているのが風の又三郎のマントと紹介されている、宮沢賢治のマントです。これは賢治が寒そうに震えていた生徒に優しくかけたマントで、その生徒がずっと大切に保存していたものだそうです。賢治の人柄が偲ばれます。
奥には洋室と和室があります。洋室が冒頭に挙げた写真で、こちらが和室です。二階に書斎もあるのですが状態があまりよくないらしく、残念ながら立ち入ることはできませんでした。それにしても賢治の家ですが、本当に何かしらの趣を感じる家でした。賢治のファンな方はもちろん、作品を少し知っているような方でも、ここへ来ると賢治の世界に触れることができるような気がします。
さて、話を2003年10月に戻します。
この後一度ホテルに荷物を置き、暗くなってきたので、花巻駅近くにある未来都市銀河地球鉄道壁画(位置)を見に行くことにしました。この壁画は銀河鉄道の夜に代表される賢治の宇宙観をモチーフにしたものです。特殊塗料で描かれていて、昼間は見えないのですが、夜になるとブラックライトに照らされて絵が浮かびます。ただこれと言った案内図がある訳でもなく、また駅の周りは街灯がそれほどなく暗いので、注意してください。実物を見ると思っていたよりも大きく、驚きました。
違う土地へ行くと、食べるものも楽しみの1つです。上の絵画を見た後の帰り、花巻駅前の酒屋さんで地ビールののぼりを見つけました。岩手県と言えば銀河高原ビールなど地ビールで有名なところで、その酒屋さんには銀河高原ビールをはじめとしたいくつかのビールが置かれていまして、わたしは北上わっかビールを選びました。この地ビール、瓶容器でして、栓抜きかないと空けられません。それを考えてのことなのかお店の人にお願いをすると栓を抜いてくれました。さらに店内にはいくつかのイスがあり、そこで地ビールと銀河高原アイスクリームをいただきました。
その後一度北上のホテルに戻り、枕流亭(位置)という食事処へ向かいました。若干場所が分かりづらいと思いますので、事前にリンク先のページなどで調べてから行くのがいいかと思います。メニューはいろいろあるのですが、個人的には天ぷらと釜飯がお奨めです。また、ぐるなびのサービス券?を持っていくと飲み物が1つサービスになったりするので、これもお奨めです。わたしたちは、天ぷらの盛り合わせ、鮎の釜飯、ホタテの釜飯をいただきました。ちなみに釜飯は出来上がるのに30分くらいかかるので、それまでの間に天ぷらを注文するのがいいかと思います。塩でいただいたのですが、これはうまい、と感心するようなおいしさでした。本当に、お奨めです。
紅葉八幡平
次の日の朝、北上から新幹線に乗って盛岡へ向かい、そこからレンタカーを借りて八幡平へ向かいました。盛岡の出発は10時です。車は丸一日しか借りられなかったので、次の日の返却時間も考えて10時から借りたのですが、ちょっと時間が遅すぎました。というわけで遅く出発したツケで渋滞に見舞われ、その中を八幡平に向かいました。それでも、12時すぎには八幡平アスピーテラインに乗ることができました。
ことアスピーテラインですが、ところどころに見所があります。数台の車が止められるようになっていて、かつこの時間になると眺めている人が何人かいるので分かります。「あっ、いい景色!」と思ったようなところは、大体がそうなっています。頂上を目指して一路進むのもいいのですが、個人的には「これだ!」と思った景色のところでは車を降りるのがいいかと思います。この写真の場所はその1つで、大沼(位置)が見えるいいポイントです。このポイント自身もいい具合に紅葉か進んでいます。
しばらく進むと、御在所園地(位置)にさしかかります。わたしたちは渋滞に捕まり時間が無かったのでまずここは飛ばしたのですが、紅葉を目当てで行くのならば必須かと思います。結局わたしたちは帰りに寄りました。この辺りから上になると植生が広葉樹からトドマツに変わり、紅葉が見られなくなってしまうのです。八幡平山頂から紅葉の山々を眺めるのもいいですが、紅葉の中を散策するためには、御在所園地あたりがいいかと思います。
この後しばらく車走らせると、源太岩(位置)、という場所にさしかかります。ここはごろごろとした岩が見られるおもしろい場所なのですが、ここから見える山々の景色も、なかなかかと思います。続いて見られる熊沼(位置)も含めて、楽しめるかと思います。
さてしばらく走って、ようやく八幡平頂上最寄りの駐車場(位置)に到着です。わたしたちが訪れたときはたまたま頂上のレストハウスが工事中で駐車場もほとんど使えず、頂上への道は大渋滞になっていました。来年以降は工事も終わるものと思いますが同じような渋滞は発生すると思いますので、早めの行動をお勧めします。
八幡平は標高1613mですが駐車場からは登山道が整備されていて、軽装でも十分登ることができます。途中で見られる山々の景色やガマ沼・八幡沼を眺めながら、頂上を目指します。頂上は山頂というより丘の上に「頂上」と書いてある標が立ててあるだけで周りはトドマツが生い茂り、視界は遮られています。そのため頂上付近に櫓のようなものが立っていて、そこから写真にあるようにトドマツの森を眺めることができます。
頂上からの原生林を眺めたあとは、せっかくここまで来たのだから、ということで八幡沼へと向かいました。ただこの時期の八幡沼は高山植物もないので寂しく、また日が陰るとかなり肌寒いので、あまりお勧めしません。途中の景色のよい場所で休み、車へ戻りました。
目的は八幡平の紅葉だったのですがまだ満足するほど見ていない、ということで、帰りに御在所園地に寄ることとしました。この辺りは途中で見たように広葉樹の紅葉に囲まれているようです。ここには五色沼や御在所沼があり、時間があれば十分に紅葉を楽しむことができそうなのですが、残念ながらわたしたちは八幡平頂上や渋滞に時間を取られたためもう暗くなってしまい、それだけの時間はありませんでした。
このあとは安比高原のペンションへ向かい、夕食を楽しみました。このような旅行の目的の1つは日常から離れることだと思いますので、こういう夕食も重要ですね。
秋田・盛岡
ペンションの紅葉に別れを告げて、朝、わたしたちは盛岡駅に戻り、レンタカーを返すと新幹線に飛び乗りました。この日は釜石へ出ようと思っていたのですが生憎の天気だったので、もう1つの案だった、きりたんぽ・しょっつる鍋・冷麺食べ歩きをすることにしました。まずは秋田駅へ。駅ではリゾートしらかみを見かけ乗りたいという欲望を抑えながら、まずは駅ビルトピコにある、杉のやトピコ店へ向かいました。こちらでは「きりたんぽ」と「しょっつる鍋」をいただきました。両方ともガスコンロで煮て食べるのですが、きりたんぽは煮すぎると崩れてしまい、しょっつる鍋はハタハタの卵(ぶりこ、というらしいです)が煮すぎると堅くなりすぎてしまう(もともと堅いようですが)ので、注意が必要です(←はわたしの失敗談です)。せっかくのおいしい料理ですから、おいしくいただきたいものです。
秋田で鍋をいただくと盛岡へ取って返します。車窓に映る紅葉を楽しみながら盛岡へ戻り、盛楼閣の冷麺をいただきました。弾力のある麺が印象的でした。皆さまも、是非どうぞ。
こうして3日間の東北旅行は終わりました。ほとんどグルメ旅行だったような気もしますが、それはそれでよし、ということで・・・(^^;