Canon EF 50mm F1.8 II 購入まで
Canon EF 50mm F1.8 II を購入した。
これを購入するまでのレンズのラインアップは、レンズキットの EF-S 18-55mm、一緒に購入した TAMRON 28-300mm の高倍率ズーム、それに結婚式撮影用に購入した TAMRON 28-75mm F2.8の3本だった。
カバーする焦点域は超広角は無いものの満足できる範囲。標準域の明るさや画質も TAMRON 28-75mm F2.8 があるために十分だった。
その中で EF 50mm F1.8 II を購入したのは、とりあえず単焦点レンズというものを使ってみたかったからだ。2004年初夏のことだ。それまでのレンズ購入は必要に迫られて購入したものだったが、今回は純粋に交換レンズを楽しむための購入だ。
単焦点レンズと言ってもいろいろな焦点距離がある。広角から中望遠域で、8万円台程度までのレンズを挙げてみた(2017年)。ただし購入当時、SIGMA 30mmやEF-S 24mm F2.8、EF 40mm F2.8などは無かった。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 | APS-C |
Canon | EF 20mm F2.8 USM | 36 | 56,000 | 405 | − |
Canon | EF-S 24mm F2.8 STM | 38 | 16,700 | 125 | ○ |
Canon | EF 24mm F2.8 IS USM | 38 | 58,980 | 280 | − |
SIGMA | 24mm F1.4 DG HSM | 38 | 85,740 | 665 | − |
Canon | EF 28mm F1.8 USM | 45 | 52,800 | 310 | − |
Canon | EF 28mm F2.8 | 45 | - | 185 | − |
Canon | EF 28mm F2.8 IS USM | 45 | 53,600 | 260 | − |
SIGMA | 30mm F1.4 DC HSM | 48 | 36,000 | 435 | ○ |
Canon | EF 35mm F2 IS USM | 56 | 57,870 | 335 | − |
Canon | EF 35mm F2 | 56 | - | 210 | − |
SIGMA | 35mm F1.4 DG HSM | 56 | 83,430 | 665 | − |
TAMRON | SP 35mm F1.8 Di VC USD | 56 | 67,300 | 480 | − |
Canon | EF 40mm F2.8 STM | 64 | 16,800 | 130 | − |
TAMRON | SP 45mm F1.8 Di VC USD | 72 | 64,820 | 540 | − |
Canon | EF 50mm F1.8 STM | 80 | 13,980 | 160 | − |
Canon | EF 50mm F1.8 II | 80 | - | 130 | − |
Canon | EF 50mm F1.4 USM | 80 | 37,790 | 290 | − |
SIGMA | 50mm F1.4 DG HSM | 80 | 83,800 | 815 | − |
Canon | EF 85mm F1.8 USM | 136 | 43,810 | 425 | − |
TAMRON | SP 85mm F1.8 Di VC USD | 136 | 84,880 | 700 | − |
Canon | EF 100mm F2 USM | 160 | 51,640 | 460 | − |
この中から何を選ぶか。今回の目的は「単焦点レンズを使ってみる」なので、とにかく安いことを主眼とし、EF 50mm F1.8 II を選ぶことにした。このレンズは当時1万円を切り、交換レンズとしては破格の安さ。さらに 130g と非常に軽量だ。「単焦点レンズを使ってみる」という目的にはピッタリだ。
ただし、APS-Cの一眼レフデジカメで使うには、換算焦点距離が長いために1本目の単焦点レンズちょっと扱いづらいかもしれない。個人的には現時点であれば、価格はちょっと高くなるが換算後焦点距離が50mm前後になる、EF-S 24mm F2.8 STM、30mm F1.4 DC HSM あたりをおすすめしたい(もちろん、日頃ズームレンズでよく使う焦点域が50mm程度であれば、EF 50mm F1.8 STM でも全く問題は無い)。
Canon EF 50mm F1.8 II 使用感
レンズを装着してみての第一印象は、とにかくその軽さとコンパクトさだ。例えば重さを見れば、F2.8 と明るいズームレンズ EF-S 17-55mm F2.8 IS USM は 645g。それに対してこのレンズは 130g。F1.8 という明るさでこの軽さ、そしてコンパクトさは、大きなメリットだ。EOS Kiss X7のような軽量・コンパクトなデジタル一眼レフとの組み合わせは最大限に両者のメリットを活かすことができる。
一応フォーカスリングはあるが扱いづらく、AF 専用と思って使うのがよいと思う。Kiss X7 は F2.8 対応の AF 用センサーを持っているのでそれを活かすことができる。USM では無いので AF 速度は遅く、またモーター音が大きい。ただし、これは個体差なのかもしれないが、他のレンズ(例えば EF 35mm F2)と比較すると AF の精度が悪いような気がする。ある程度絞って使用しているにも関わらず、ピントが外れてしまうことがあるように思う。
このレンズの絞りは円形ではなく5角形だ。点光源を大きくボカすと5角形になってしまうので、気になる場合もたまにはある。
マウント部はプラスチックだ。このあたり、安いなりの作りではある。ただフォーカス時にフィルタ枠は回転しない。PL フィルタを使おうとすれば便利に使えるだろう。
最短撮影距離0.45m、最大撮影倍率は 0.15 倍。もう少し寄れれば、と思うこともある。
35mmフィルム換算の焦点距離は80mm。レンズをつけっぱなしにして撮り歩くには、わたしにとってはちょっと長い。が、これ1本で遊ぶというのもなかなかに楽しい。
画質
単焦点レンズのメリットとして挙げられる点に、ここまで挙げた明るい割に軽い、という点の他に、画質が良い、という点もあると言われている。
とは言っても、さすがに大口径 F1.8 の開放では、滲みがあったりコントラストが低いような印象を受ける。若干絞るとこの点は解消される。F2.8〜F4.0 程度まで絞るととてもシャープになる。手持ちAF・AEなので厳密では無いが、例を挙げてみたい。こんな全景にある像を、F1.8 と F2.8 で撮影してみた。左がF1.8、右がF2.8だ。
では、大口径(と言ってもF2.8だが)のズームレンズと比べるとどうなのか? という疑問が沸く。現在 EF-S 17-55mm F2.8 IS USM を持っているが、これの 50mm とちょっと比べた限りでは、正直わたし程度の写真レベルでは大差無く感じる。
しかし、EF-S 17-55mm F2.8 は 645g で 10 万円を越える。それと 130g 1万円未満のレンズが大差無いというのだから、ものすごい話だ。さらに EF 50mm F1.8 は1絞り以上明るい。単焦点レンズには価値がある。